日本のストリートダンスシーンのパイオニアであり、現在のストリートダンスシーンを築き上げたといっても過言ではない、BE BOP CREWの横田義和(よし坊)さんが、5月20日未明にお亡くなりになりました(享年59歳)。
私なんかが語るには恐れ多いですが、このブログを高校ダンス部関係者の方が多くご覧になっていることから、存在を知らない高校生たちを中心に伝えておかねばならないと思いここに記事を掲載させていただきます。
私がBE BOP CREWのよし坊さんの存在を知ったのは、テレビ番組を通じてでした。
もう28年ほど前になります。
それまでNEW JACK SWINGの真似事しかしていなかった私には、そのダンスがお洒落すぎて格好よすぎてとんでもない衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。
はじめてレッスンを受けた時習ったアイソレーションや、リズムとレーニング。
こんな練習方法があるなら早く習うべきだった…とまたもや衝撃を受けました。
それから私なりに経験を積んで、教師になり高校ダンス部という今までにないものを作り、沢山の生徒たちに指導する立場になりましたが、今でも生徒たちにはBE BOP CREWのダンスがいい手本になると伝えさせてもらっています。
東京でのコンテストに参加した時には、結果に納得がいかずにジャッジをされてたよし坊さんに「おかしいじゃないですか!?」と詰め寄ったこともありました。
まだまだ若くて血気盛んな頃の私を、人目につかないところに連れて行って落ち着かせていただいとこともありましたw
よし坊さんの現在のストリートダンスシーンへの功績は、あまりにも大き過ぎます。
ダンスの師匠を辿っていけば、ほとんどの人が影響を受けているといっても過言ではないと思います。
先輩からしか指導してもらっていない高校ダンス部員であっても、アイソレーションやリズムトレーニングなんて当たり前にしてると思います。
それらの基礎を作り上げたのが、よし坊さんや坂見誠二さんなのです。
最近の高校ダンス部のダンスは、エンターテイメント性が重視されてきているようで、ダンス界の大先輩たちから脈々と受け継がれているもの以外の要素が多くなってきているように感じます。
もしくはそれが高校ダンス部のダンスだと雑誌等で断言されてまでいます。
とにかくより揃っている方を評価するとか、「ストリートダンスなんて自由なんだから何でもありでしょ?」って思われている部分も多々感じます。
しかし、よし坊さんをはじめ本当にかっこよさに拘っている諸先輩方が目指しているものって、本当はその部分ではありません。
そのことだけは、高校ダンス部を指導する上でも伝え間違えてはいけない部分だと思います。
よし坊さんから学んだことを自分なりに活かすことを考えると、このことが一番大切なことだと感じました。
これから何年指導ができるかわかりませんが、肝に銘じて伝え続けていきたいと思います。
数年前、高校ダンス部の大会をよし坊さんが審査されたことがありました。
結果発表の後のコメントで、「負けた人は帰りにアイスでも食べて帰ってください。」というコメントをされたこともありました。
本人に全く悪気はないと思いますが、甲子園に負けた高校球児に言ってるようなものです。
高校生や保護者は凍り付いていました。。。
(よし坊さん性格を知っていればわかりますが…まだよし坊さんには高校ダンス部のジャッジは頼まない方がいいかもしれない…と思いました。。。)
結局、私がかかわる大会では一度もジャッジとしてお呼びすることはできませんでしたが、今となっては高校生たちに一度も紹介できなかったことが悔やまれます。
(この記事を見た生徒は、是非youtubeで動画を検索してみてくださいね!)
私にできることは限られていますが、私がかかわる生徒たちにはこれからもずっと伝え続けていきたいと思います。
どうか安らかにお眠りください。
心からご冥福をお祈りいたします。
素晴らしくかっこいいダンスを数多く見せていただきありがとうございました。