アタマジラミで頭がかゆくなることも
こんにちは。橋本です。
子どもの頭にかゆみが続く。
そういった場合、かゆみがおさまらない理由は、どの子も同じとは限らず、それぞれのケースによって、違った原因も考えられます。
詳しくはこちら ⇒ 子どもが頭をかゆがるけど、どうしたらいいのか?
様々な原因が考えられる、頭のかゆみ。
数ある原因の1つには、アタマジラミの感染、寄生によってかゆみがおきている場合があります。
長い間、少なかったアタマジラミの感染も、最近では子どもたちの間で増加傾向にあることが、たびたびニュースになったりしています。
「あれ、何かフケのようなものが増えてきたな」とか、猛烈に頭をかゆがる場合。
とくに子どもの場合は、アタマジラミでないか、軽くチェックをする必要があります。
「アタマジラミって、何だそれ?」という方は少しここで、アタマジラミの特徴、ポイントをおさえておいてくださいね。
アタマジラミとは?
アタマジラミは、人の頭に寄生するごく小さな昆虫です。
成虫の体長は、オスで約2mm、メスで約3mm。そのメスが頭髪に産みつける卵は、約0.5mmというごく小さなもの。
卵はぱっと見るとフケと間違えやすいので、しっかり見分ける必要があります。
成虫は、一日に約3~10個くらいの卵を産むといわれています。
そして、その卵は7日で孵化(ふか)し、生まれた幼虫は、わずか10~14日で成虫になり、60~90日間くらい生き続け、その間、卵を産み続けます。
そのため、一度アタマジラミに感染してしまえば、駆除をおこなわないと、爆発的に増えることにもなりかねません。
とはいっても、アタマジラミが増える苦しみは、家族がなってみないとなかなかわからないんですよね。
身近で頻繁におこる感染症ではないですから。
でも実際なってみると、退治しても退治してもなくならない状況に、ノイローゼに近い状態になってしまうことさえあります。
ただし、アタマジラミによるかゆみは、細菌やウイルスによるものではありません。
アタマジラミに感染すると、何か病原菌をうつされるのかと思ってしまう人もいますが、そうではないんですね。
通常、アタマジラミが病気を運んでくることはないのです。
なんで、アタマジラミでかゆくなるの?
普段、アタマジラミは、頭髪に6本の脚でがっしり、しがみついて過ごしています。
一日に4~5回、食事の時間になると頭皮まではい降りてきて、口から針を突き刺し、吸血します。
アタマジラミによるかゆみは、この吸血でおこります。
血を吸うとき、同時にアタマジラミは自分の唾液(だえき)を頭皮に注入します。
これが、血を吸うときに人間に気づかれないようにするための麻酔(ますい)の役割を果たします。
そう、同じ人間の血を吸う虫である「蚊」と同じようなことをするんですね。
この麻酔の役割をする唾液へのアレルギー反応として、激しいかゆみがおきると考えられています。
ただ、蚊は血を吸い終われば、どこかに飛び去っていきます。
もしくは、蚊のいないところにいけば、もう蚊に襲われなくてすみますよね。
蚊とは違い、アタマジラミがやっかいなのは、駆除しない限り、頭に居座り続けること。
その間、何度も血を吸われ、猛烈なかゆみがその度に襲ってくるわけです。
かゆみの程度は個人差が大きく、なかにはかゆみや自覚症状を感じない場合もあるようです。
しかし、かゆみが強い場合では、かくことで頭皮に炎症がおき、湿疹ができることも。
ひどい場合は、かき傷からバイ菌が入り、耳の後ろや首のリンパ節がはれることもあります。
なぜ感染するのか?
今の時代の生活環境からいって、「不潔さ」が原因でアタマジラミに感染することは、まず考えられません。
最近のアタマジラミの発生は、ほとんどが10歳未満の子どもにおこっています。
保育園児や幼稚園児の間で流行することが多いんですね。
理由は、お昼寝の時間。
頭髪の直接的な接触、寝具や帽子、タオル、衣類などを橋渡しに感染していると考えられます。
アタマジラミは羽もなく、ノミのようにジャンプすることもできません。
すばやく移動する能力は低く、移動距離は1時間で20cm程度しかないといわれています。
そのため、人にうつる時は、頭から頭への直接感染がほとんどというわけなんですね。
また、動物やペットからアタマジラミが持ち込まれることはなく、アタマジラミがペットにうつることもありません。
このやっかい者の、アタマジラミ。
人の頭ではじゃんじゃん増えてしまうのですが、人から落ちると、意外にも2~3日ほどで餓死してしまいます。
ですから、アタマジラミは感染に気づいた時点で、しっかり駆除することが大切です。
アタマジラミの駆除には、一般的に、スミスリンシャンプーなどを使います。