「対症療法ではアトピーは治らない。体質改善すれば治る」は本当か?
こんにちは。橋本です。
「アトピーの湿疹があれば、きちんと薬を使って炎症をおさえましょう」
そういうと、よく
「対症療法じゃあ意味がない。体質改善が本当の治療法だ」
という人がいます。
症状をおさえるだけの治療では、アトピーは治らない。
体質改善をして、体を根本から治療すれば、アトピーは治る。
つまり、症状をおさえるだけの「対症療法」は無駄な治療で、体質改善のような「根本治療」のほうが大事だという考え方です。
これって、本当でしょうか?

対症療法(たいしょうりょうほう)とは
アトピー治療の三本柱のひとつでもある、薬を使ってアトピーの症状をおさえるような治療方法は、対症療法とよばれています。
対症療法:
病気の原因を取り除くのではなく、おきている症状をやわらげたり、なくしたりする治療法のこと
今ある症状をなくす。症状に対して治療をおこなう方法です。
たとえばアトピーなら、ステロイド外用薬を塗って、皮膚の炎症をおさえてあげること。
そうすることで、「症状のつらさがなくなる」「普通に生活できるようになる」ということが、対症療法の大きなメリットです。
対症療法の限界
ただ基本的には、対症療法では、病気の原因そのものはなくなりません。
病気の根本的な原因を放置したままでは、症状をおさえても、おさえても繰り返す。
まるで、アトピーを「もぐらたたき」しているような状態。
そうしているうちに、だんだん症状が強くなってくる。
治療のかじ取りをうまくコントロールしないと、そういうこともありえる、とも考えられます。
根本治療(こんぽんちりょう)とは
対症療法とは逆に、病気の原因そのものを治そうというアプローチ。
それを、根本治療とよんでいます。
根本治療:
病気そのものや、症状がおきる原因を治療すること
たとえばの話をします。
いつも部屋に入るときに、入り口で頭をぶつけていたとすると、頭が打撲だらけになります。
だとしたら打撲の大きな原因のひとつは、「入り口が低いこと」です。
この原因はそのままで、「打撲が痛いから、痛み止めを飲もう」というのが、対症療法のひとつです。
逆に、「そもそも、入り口が低くて頭をぶつけるなら、入り口を高くしよう」というのが、根本治療の考え方です。
しかし実際には、アトピーの原因ともなると、こんなに単純な話のようにはなりません。
体質改善はアトピーの根本治療になるのか?
「体質改善をすればアトピーは治る」
世間一般では、まことしやかに、そんなことが言われますが、本当でしょうか?
体質改善するには、適度な運動、バランスのとれた食事、規則正しい生活リズム、気分転換などがいいとされています。
たしかに、そのような生活にするのは、健康を維持するには、大切なことかもしれません。
さらなる体質改善を期待して、漢方薬や健康食品にトライする人もいます。
しかし、こういったものは、どれだけ使えば、どのような体質が、どれだけ変わるのか、一切わかりません。
まったく体質改善した実感がえられないケースも、当然よくあります。
また、体質は「遺伝子」によって決められているもので、特定のものを食べたり、飲んだりすることで、大きく変わるようなことはありません。
たとえば、アトピーのような「湿疹のできやすい体質」を変えるような、根本治療はまだ見つかっていないのが現状です。
「体質改善にこだわる」ことでの問題点
・ 漢方薬でアトピーが治った
・ 健康食品でアトピーが治った
・ サプリメントでアトピーが治った
・ 特殊な水を飲んで治った
などといわれるのは、体験談にもとづくもので、「飲んだ場合・飲まなかった場合」の比較をしていないため、本当の効果はわかりません。
また、漢方薬について、アトピーにはっきりとした効果があるとする、信頼できるランダム化比較試験も、今のところはまだありません。
そのため、もし漢方薬や健康食品などを使うなら、有効性が確認されている通常の医療をきちんと受けたうえで、補助的にとどめて使うのがベスト。
あまりにも「体質改善にこだわる」ことでおきる一番の問題点は、通常の医療を拒否してしまうことです。
「ステロイド外用薬のような対症療法では意味がない、体質改善すればアトピーは治る」
そんなふうに言われれば、誰でも「体質改善できる方法」に、心をそそられると思います。
しかし、体質改善にこだわるあまり、今ある湿疹やかゆみを放置すると、治療が難しくなることがあるのも、また事実です。
対症療法のコツをうまくつかんで、湿疹のない状態にする、湿疹のできにくい状態にする。
そうして普通の子どもたちと同じように、楽しく生活できるようにしてあげる、というのが、現状ではもっとも理想的なアトピー治療なんですね。