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シアバターってどんなもの?


こんにちは。橋本です。


今日は、保湿クリームとしても使われる「シアバター」がどんなものか、お話ししていこうと思います。


シアバターって気になってたんだよな。もしくは、これから使ってみようかな、という場合は、参考にしてみてくださいね。


シアバター


アフリカ原産


アフリカ中央域に生育するシアーバターノキから収穫した種。


その種の脂肪分を取り出したのが、「シアバター」です。


「シア脂(あぶら)」ともよばれます。


現地では、シアーバターを食用油脂、燃料として利用するほか、民間療法として、傷や火傷にも使われてきたといわれています。


そして、シアバターの輸入が多い欧米、日本では、おもに化粧品の成分、保湿クリームとして使われます。


自然派の化粧品メーカー


シアバターを最初に有名にしたのは、ロクシタン。


「ロクシタン(L'Occitane)」は、フランスの化粧品メーカーで、アロマテラピーも取り入れている自然派コスメティックブランドです。


1992年にロクシタンが、「100%の天然の保湿クリーム」として、シアバターをそのまま商品化したのが、欧米でのはじまり。


次いで、2年後に、こちらも世界的化粧品メーカーである、イギリスの「ザ・ボディショップ (The Body Shop) 」が、シアバターの販売を開始。


そうして、シアバターは、自然派の保湿クリームとして、定番となりつつあるわけです。


ただ、これらのシアバター製品は、値段が高めなのがネックです。


人肌で溶ける


シアバターの最大の特徴は、独特の使用感です。


常温では、固形。


それが、肌に塗り広げると、体温でゆるやかに溶け、肌になじんでいきます。


このスムーズな使用感が、人気の理由でもあります。


安全性は?


そして、原産地アフリカで古くから使われてきたこと。欧米、日本でも、多くの人に使われていること。


そのような点から、肌に対しての安全性には、大きな問題はないとみられています。


「アレルギー症状が出やすい」などの報告もありません。


シアバターに含まれる、おもな成分は、比較的、酸化しにくいとされていて、肌への刺激も少ないと、考えられています。


ただし、シアバターは、明確な「品質基準」が、すべての製品には、徹底されていません。


製品を選ぶには、品質にも注意が必要です。


皮膚炎に効くの?


シアバターは、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、肌トラブルの改善に期待できる。


そういわれることがありますが、皮膚炎などの改善をしめすデータなどは、今のところありません。


あくまでも、今後の研究に「期待されている」だけです。


シアバターは、医薬品と認められておらず、シアバターによる症状の改善をうたうことは、薬事法に違反します。


実際に、シアバターに効果があるとうたって販売する業者に、行政指導が出されたこともあります。


保湿効果は?


シアバターは、もともと固形。


見た目がロウ状なので、ワックスのような強力な膜を作って、肌の水分を逃さないようにする。


そう思われがちですが、シアバターは、オリーブオイルなどと同じような、オイルの仲間。


「オイルは液体だけ」とは、かぎらないんですね。


シアバターは、肌の水分を閉じ込める力が、それほど高くはありません。


「シアバター単体では」、ですね。


オイル系のものは、ワセリン系のものに比べて、肌の水分を逃さないようにする能力は、「5分の1」程度だという実験データもあります 1)


肌の保水機能自体を、高めることもできません。


それでも、肌へスッとなじみ、肌にやわらかさを与える。


そして、ベタつきが少ない。


そのような、シアバターの「使用感」に、魅力があることは、たしかです。


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参考文献:

1) 西山 聖二, ほか: 日本化粧品技術者会誌 16: 136-143, 1983.