痒疹(ようしん)という「かゆーい」ボツボツ | 子肌育Blog アトピーに負けない生活。

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子どものアトピー性皮膚炎治療、スキンケアなどについての正しい知識を、わかりやすくまとめています。

アトピー性皮膚炎にみられる痒疹


痒疹(ようしん)という「かゆーい」ボツボツ


こんにちは。橋本です。


強いかゆみのボツボツがまばらにあらわれる症状。


それを、「痒疹(ようしん)」とよんでいます。


アトピー性皮膚炎の症状としても、よくみられます。


「痒疹」は、病名ではなく、かゆみのある硬いボツボツがまばらにあらわれる症状を指しています。


痒疹の最大の特徴は、とにかく「かゆみ」が強いこと。


だから、痒疹の「痒」は、「痒い(かゆい)」を意味しているんですね。



「アトピーだろう」の思い込みに注意


ただ、かゆいボツボツはいろんな病気でみられます。


蕁麻疹(じんましん)、疥癬(かいせん)、水ぼうそう、あせもなど、いろいろありますが、このような病気では「痒疹」とはよびません。


ぱっと見た目は似ているものの、それぞれの病気に独特の特徴があり、それぞれに治療法が違います。


間違った治療をすると、症状が悪化しかねません。


「痒疹」は、糖尿病、肝臓病、白血病などにともなってあらわれることもあります。


ボツボツが出始めたら、「アトピーの悪化だろう」と思い込まずに、お医者さんによる診察が必要です。


痒疹は、症状の経過から「急性痒疹(きゅうせいようしん)」「慢性痒疹(まんせいようしん)」にわかれます。


また、女性では妊娠中に、痒疹が出ることもあります。


妊娠中にあらわれる痒疹は、「妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)」とよんでいます。



急性痒疹(きゅうせいようしん)


急性痒疹は、名前のとおり、急に症状があらわれ、「ストロフルス」ともいいます。


「急性痒疹」も「ストロフルス」も、同じ症状のことを指します。


小学生未満の子どもによくおこるので、「小児ストロフルス」ともよばれています。


虫刺されのあとにおこることが多いんですが、かゆみが強いため、引っかいていると傷になってしまいます。


虫刺されが原因のことが多いので、アトピーの子どもでなくてもおこりますが、肌が弱いと、やはりおこりやすい症状です。


急性痒疹、小児ストロフルスの場合は、1か月以内に治ることが多いようです。


急性痒疹



慢性痒疹(まんせいようしん)


ボツボツのかゆみが強いために繰り返しかきむしってしまうと、ボツボツが硬く盛り上がってきます。


その症状が、慢性痒疹です。


大きいものは、大豆ぐらいの大きさになることもあります。


この硬くゴリゴリする痒疹を「結節性痒疹」、または「痒疹結節」などともいいます。


ゴリゴリが強いほど、かゆみも強くなる傾向があります。


そのため一度ゴリゴリした「しこり状」になってしまうと、数年以上も続くこともあります。


治ったあとも、黒い色素沈着は残るものの、色素は時間をかけて薄くなっていきます。


結節性痒疹



どうやって治すの?


痒疹は、皮膚内での強い炎症が原因なので、ステロイド外用薬による治療がメイン。


強いかゆみによって、症状が悪化するので、かゆみ止めの飲み薬も使います。


ただし、ゴリゴリした「結節性痒疹」になってしまうと、それだけ皮膚の炎症も強力です。


これをおさえるためには、強いランクのステロイドを長く塗らないと、すべすべの肌になかなか戻らないのがやっかい。


さらに、すべすべになっても、炎症やかゆみが、ぶり返しやすい傾向があります。


そのため、どうしても長くステロイド外用薬を使うことになります。


そうすると当然、副作用の心配があるので、定期的に診察してもらって、皮膚が薄くなっていないか管理してもらわないといけません。


つまり、お医者さんとのコミュニケーションが、とても大事になってくるわけですね。


また、強い薬を使わなくてもいいように、慢性化する前に治療をしておくことも重要です。