「悪化する原因」が、わからなくなってきたら | 子肌育Blog アトピーに負けない生活。

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子どものアトピー性皮膚炎治療、スキンケアなどについての正しい知識を、わかりやすくまとめています。

●「悪化する原因」が、わからなくなってきたら


ども、こんにちは。橋本です。


アトピーのケアは、手間をかければかけるほどいい、とは限りません。


いろいろ頑張ったのに、


「なんのせいで悪化するのか、なんだか、わからなくなってきた」


こういうパターン、ほんと多いです。


几帳面なママほど、こういう「迷路に迷いこむ」パターンになりがちです。


手間も時間もかけて、よくなる可能性のあることをやりつくす。


なのに、アトピー対策、アレルギー対策でやったことが、効果があるのかどうかわからない。


それどころか、悪くなっているような気がする。


こんなふうでは、はっきりいって疲れてしまいます。


「いろいろやっても、なんのせいで悪化するのか、わからなくなってきた」


そういう場合、チェックしてほしいことが、1つあります。


それは、「湿疹やかゆみがある部分は、正しく薬を使って、炎症をおさえているか」ということです。


こんなこと当たり前、と思うかもしれませんが、これができていないことが意外と多いのです。


皮膚の炎症をおさえようとせずに、悪化原因と予想するものをすべてなくそうとする。


その結果、


労力 > 効果


となることが多く、毎日続けているうちに疲れ果ててしまうんですね。


では、なぜ皮膚の炎症をおさえなければいけないのか?ということを説明しますね。


これには、専門用語ですが、「マスキング効果」ということが関係します。


ものを見るときに、フィルターを通してみると、フィルターが邪魔になって、ものがみえにくくなる。はっきり見えなくなりますよね。


それを、「マスキング効果」といいます。


見たいものが、マスクでおおわれて、見えにくくなる状態ですね。


カンタンにいうと、「マスキング効果」というのは、サングラスをかけたときに似ています。


湿疹の放置はサングラスをかけて物をみるのと同じ


濃い色のサングラスをかけていると、向こうから歩いてくる人のシャツが、青色か、赤色か、緑色か、紫色か。よくわかりませんよね。


これが「マスキング効果」です。


ちょっとここで、「マスキング効果」をアトピーの場合にあてはめてみましょう。


アトピーは、かゆい湿疹が良くなったり、悪くなったりを繰り返す病気です。


かゆい湿疹のある皮膚は、炎症をおこしています。


で、この炎症がくすぶっている状態というのは、マスクがかかっている状態です。


湿疹をそのままにしておくと、悪化させる原因に接触しても、「悪くなった」ということが見えにくくなるのです。


マスキング効果は、「食物アレルギーでアトピーが悪化する場合」でも同じです。


アレルギーの血液検査のみで、アトピーを悪化させる食べ物は特定できない。


血液検査だけで、原因の食べ物を特定してはいけない。


これは、アレルギーを専門とするお医者さんにとっては常識です。


原因となる食べ物の特定は、「実際に食べて症状が出るか」。「食べなければ良くなるか」。これが基本です。


しかし、皮膚の炎症をきちんとおさえておかないと、原因の食べ物を食べても、あきらかに「食べたせいで」皮膚に症状がでているのかどうか。


よくわからなくなってしまうのです。


ただのアトピーの良くなったり悪くなったりの波なのか。食べたから悪くなったのか。


元々、湿疹があることで、「症状の変化」が見えづらくなってしまうわけです。


まずは、きちんと皮膚の炎症を薬でおさえてから、食べたときの症状の変化をみなければ、「なんのせいで悪くなっているのか」どんどんわからなくなってきます。


しまいには、「子供にいろんなものを食べさせるのが怖い」なんてことにもなってしまうんですね。


人間は、食べることで命を保っています。食べなければ、死んでしまいます。


「食べること」は、それぐらい重要なこと。


そう考えると、「食べさせるのが怖い」なんて、なんて不幸なことなんだろう、と思ってしまいます。


そうならないためにも、まずは正しく薬を使って、皮膚をきれいにする。


そのうえで、はじめて、「食べ物を食べて症状が変化するか」「食べなければ症状がでないか」をみなければいけません。


本来、そうして、原因を見つけていくものなんですね。


「なんのせいで悪化するのか、なんだか、わからなくなってきた」


そういうときは、まずは「ていねいなスキンケア」。正しく薬を使って「皮膚の炎症をおさえる」。


そうして皮膚をすべすべにしてから、いろいろ試して原因を探す。


これが、「アトピー対策の迷路」から抜け出す方法です。


皮膚の炎症をそのままにして、アトピー悪化の原因を探す。それは、「サングラスをして、シャツの色を見る」ようなもの。


悪化原因による症状の変化がわかりづらくなるので、ぜひご注意を。


こちらの記事もあわせて読むと、理解が深まりますので、よろしければどうぞー。


アトピー治療の基本


アトピーによる皮膚の炎症をおさえるには


「アレルギーの原因なんて、血液検査で分かるでしょ?」


食事制限は、血液検査の結果のみで判断してはいけない。