車椅子のおじさんの小説628 | 車椅子のおじさんのブログ

車椅子のおじさんのブログ

ブログの説明を入力します。

妹の言葉で女のままでいる事にした
 その後、お巡りさんたちの配慮でデザイン事務所にすぐに帰る事ができました。
 吉村さんの運転する車で帰る時もデザイン事務所に帰ったからも精神的にかなり落ち込んでいました。
 トラベルヘルパーさんや吉村さんが「大丈夫ですか?」とか「さっき、言われた事は気にしなくてもいいですよ」と言ってくれましたけど、その言葉が頭に入ってこないほどに落ち込んでしまいました。
鉄三郎 その時、何を思っていた?
昌 どんな事を思っていましたか?
順 (幼いころからずうっとあこがれてきた女になったけど、こんな事を言われてしまったわ。男から女になったから、こんな事を言われたのかしら?これからも言われる事があるのかしら?エストロゲンの薬を飲む事をやめて、男に戻った方がいいのではないかなあ)と思っていました。
昌 こんな事を思ってしまうぐらいに精神的に落ち込んでしまったのですね。
順 そうです。女のままでいたいのに、差別的な事を言われるかもしれないと悩んでいました。
鉄三郎 それをだれかに話した?
昌 まだだったら、だれかに話した方がいいですよ。
順 メールで妹の美里に言いました。
昌 妹さんは、何を言ってくれましたか?
鉄三郎 今でも女のままでいるから、美里さんに何かいい事を言われた?
順 そうですよ。メールを送った次の日の昼過ぎに私の事を心配になった美里が仕事の休みで自宅にいた私を訪ねてきてくれました。