車椅子のおじさんのブログ

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大分行きのカートレインに乗る

 その1か月後、5.25の夕方、鉄三郎たちは早めに晩ごはんを済ませたて、旅行の準備をして、7時半過ぎに昌の愛車のサンクーペRZ-7で家を出発して、名古屋駅に向かった。

 8時45分ぐらいに名古屋駅に着いた。

 鉄、だれかにカートレインの乗り場はどこにあるかを聞いてくるよ。

 昌はそう言って、車を名古屋駅の脇に止めて、だれかに聞きに行った。

 その5分後、戻ってきて教えられたカートレインの乗り場に向かった。

 その2分後、そこに着いた。

 昌は駅員に鉄道会社から送られたカートレインの乗客番号を表示されたスマホを見せた。

 その番号を見せられた駅員は、こう言った。

 はい、わかりました。カートレインのお客様ですね。たしかお連れさまは、車椅子の方ですね。

 そうです。

 それじゃ、カートレインにご乗車する時に、お手伝いします。

 そう言ってくださって、ありがとうございます。連れを車椅子に乗せます。

 私は、その間に携帯用のスロープを持ってきます。

 よろしくお願いします。

 昌はそう言って、車から降りて、トランクから車椅子を出して、鉄三郎を助手席から車椅子に移した。

 そして8畳ぐらいの和室がある客車に駅員にかけた携帯用のスロープで乗り込んだ。

 鉄、車をコンテナに積むのを見届ければいけないから、自力で車椅子から降りて、和室に入っていけや。

 うん、わかったよ。

 それじゃ、ちょっと行ってくるよ。

 昌はそう言って、その客車の後ろに連結されている車両運搬用のコンテナの方に向かった。

 鉄三郎は、自力で車椅子から降りて、膝歩きで細長い和室に入っていった。

 鉄三郎は和室に入っていきながら、こんな事を1人言でブツブツと言った。

その時の鉄三郎の1人言

 カートレインに乗るのは、バンセン病の差別についての取材の時以来だなあ。

 どうして人間という生き物は、差別したがるだろうか?

 だいたいほんのちょっとの違いがそれぞれにあるけど、同じ人間だから、差別する必要がない。

 同じ生き物として差別するやつがいる事は恥ずかしくつくづく感じるなあ。

 鉄三郎が客車の窓に向かって1人言でこう言っていたら、昌が後ろのコンテナの方から戻ってきた。

 鉄、窓に向かって、何を1人言でブツブツと言っていたんだ?

 鉄三郎は1人言でブツブツと言っていた事を昌に話した。

 鉄がふと思った事はよくわかったよ、間違っているかもしれないけど、これは人間の性格の多様性の法則であまり差別しないやつがいれば、必ずよく差別するやつがいるのが宿命だろうなあ。

 宿命なのか。だけど、書く事でそういうやつをできるだけ少なくするのが俺たちジャーナリストの仕事だなあ。

 まさに、ジャーナリストの仕事だなあ。

 鉄三郎たちがそう話しているうちに、午後10時20分発のカートレインは動き出した。