車椅子のおじさんの小説623 | 車椅子のおじさんのブログ

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襲われた事を聞く

順 先月の半ばごろの平日に仕事関係の予定が何もない日がたまたま1日ありましたから、アシスタントの吉村さんに今は弓子さんが住んでいた家に引っ越しされた弓子さんのお母さまに電話をかけてもらって、お母さまに「明日、弓子さんのご仏前にお参りに行きたいですけど、行ってもいいですか?」と聞きましたら、お母さまに「どうぞ弓子の仏前にお参りに来てください」と言われましたから、予定が何もない日に行く事にしました。

 お母さまに「弓子か死ぬ5日前に、順ちゃんが私の仏前にお参りに来てくれるだったら、喪服よりも華やかなかっこの方がふさわしいから、はなやかなかっこで来てほしいと言いました」と言われましたから、そんな姿で行く事にしました。

鉄三郎 その時の姿をなんとなく見たいから、その姿の写真があったら、見せてくれる。

順 はい、わかりました。パソコンにその写真が入っていますから、すぐに出しますね。

 順はそう言って、すぐにパソコンに入れてある弓子さんの母親にとってもらって、デザイン事務所のパソコンに送ってもらった写真を出した。

 その写真の順の姿は、上は白いブラウスと濃い青のネクタイとテーラーカラー付きでダブルの真っ赤なベストで、下は黒いスカートと金縁と濃い紫のハートのバックルが付いた光沢がある赤いベルトと薄い青のストッキングと足の甲の所に小さい金縁と赤のハートの飾りが付いている光沢がある黒いパンプス姿で、ローズの口紅を塗ってもらい、ほお紅を薄く塗ってもらい、赤いマニュキュアを塗ってもらい、金縁と黒のハートのイヤリングを付けていた。

鉄三郎 この姿で弓子さんの仏前を参ったのか。天国にいる弓子さんは喜んでくれたでしょうね。

昌 俺もそう思いますよ。

順 お母さまに「弓子が順ちゃんは男だったごろはものすごく美男子でおしゃれですてきな恋人だったけど、女になったらもともと美男子だったから顔が女らしくきれいになったし、体も生まれた時から女である私が見て(うらやましい)と思ってしまうほどのグットプロポーションになって脳性マヒの重いハンディを持っていても女らしいおしゃれをこれから毎日していくみたいで、私にとって最高にすてきな女の恋人だわと言っていました」と言われました。

鉄三郎 それは、よかったね。

順 それでその1日が終わったらよかったんですけど。

昌 その帰り道に襲われたんですね。

順 そうですよ。