「秀吉の弟」の正体②[天下人にモノ申す] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

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 秀長は、出世した兄秀吉に乞われて天下取りを支え、和泉・紀伊・大和の三国73万石余を与えられ、郡山城(奈良県)に居城。「大和中納言」と呼ばれました。

 

 その秀長は、豊臣政権の事実上のナンバー2でありながら、決して兄のイエスマンではありませんでした。

 

 天正13年(1585)6月、病気の秀吉に代わって出陣した四国攻略でただちに長宗我部元親を降伏させていますが、この間、病気から恢復した秀吉が四国入りすると通告されていたのです。

 

 秀長がイエスマンなら、その命令に素直に従っていたことでしょう。

 

 しかし、ここで引き下がっては、自身の面目が潰れ、かつ兄の威光にも傷がつきかねません。

 

 そこで、兄の出陣を思いとどませる書状をしたため、結局、秀長の意を汲んで秀吉も出陣をとりやめたのです。

 

 天下人にモノ申す立場にあったのです。

(つづく)

 

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