南朝とは別に北陸王朝をたてようとしたとされる父義貞とちがい、兄弟の軍事行動は、観応の擾乱に乗じた南朝の京制圧と軌を一にしています。
つまり、二人はまぎれもない南朝の忠臣だといえます。
それから七年のブランクを経て、正平一四年(1359)一〇月、新田義興が足利方の策謀にかかり、武蔵国矢口の渡し(大田区矢口もしくは稲城市矢野口)で命を落とします。
この話は「神霊矢口の渡し」という伝説として今なお語り継がれています。
新田勢の蠢動に悩んでいた鎌倉公方足利基氏(義詮の弟)の執事・畠山国清(武蔵国守護)が竹沢右京亮という武蔵の武士と姦計を企てました。
右京亮の屋敷に義興を招いて美女と酒で篭絡し、その間に討ち取ろうとしますが、その企ては失敗します。
しかし、こんどは武蔵国稲毛の領主江戸長門を巻きこんで別の姦計を巡らせました。
(つづく)
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