南北朝争乱の英雄「二世物語」新田兄弟編④[ふたたびの鎌倉陥落] | 跡部蛮の「おもしろ歴史学」

跡部蛮の「おもしろ歴史学」

歴史ファンの皆さんとともに歴史ミステリーにチャレンジし、その謎を解き明かすページです(無断転載禁止)

 足利義詮が京から撤退する少し前の観応三年(1352)閏二月一五日のことです。

 

 新田義宗・義興の兄弟が新田の本拠である上野国で挙兵しました。

 

 義宗は信濃に亡命していた宗良親王(後醍醐天皇の皇子)を奉じ、尊氏を追って鎌倉へ入りました。

 

 父義貞が鎌倉幕府を倒した際の行軍路を踏襲し、ふたたび新田勢が鎌倉入りしたのです。

 

 しかも、義貞が鎌倉に入るまで一四日を要したものの、義宗・義興兄弟はわずか三日でしてのけました。

 

 閏二月一八日に鎌倉へ入った新田兄弟はすぐさま尊氏を追撃し、二〇日に人見原(府中市)・金井原(小金井市)で尊氏の軍勢と戦います。

 

 義宗は鎌倉へ撤退しましたが、義興は尊氏をやぶり、いったん石浜(台東区)まで追い詰めて尊氏を自害寸前まで追いこみました。

 

 しかし、二八日、笛吹峠(埼玉県嵐山町)などで巻き返した尊氏の軍勢に大敗してしまいます。

 

 こうして新田兄弟は、一族の地盤の一つである越後などへ退いたのです。

 

 この一連の合戦は、武蔵野合戦と総称されています。

 

(つづく)

 

サブブログ

跡部蛮のサブブログ (ameblo.jp)

 

以下お知らせ

 

辻大悟のペンネームで歴史小説を書いております。

既刊本『信長の笑み、光秀の涙』(双葉文庫)

※このほど初めて現代を舞台にしたミステリー

『小説 キンカコ 八人のワンダラー』

(kindle版)を刊行いたしました。

2000年を舞台にした犯罪エンターテイメント小説です。

 

表紙画像:いーブックデザイン

http://e-bookdesign.blogspot.jp/
表紙:e-bookdesign