【ネタバレしかしていません】
 
囚われのパルマRefrainのチアキ・カシマ。
好きすぎて言いたいことがありすぎて、未だ全然まとまっていないのですが、あえて1つチアキルートの醍醐味をあげるとすれば、やはり、チアキの嫉妬、独占欲じゃあないでしょうか。
 
 
悪趣味極まりないとわかっちゃいるのですが、私は創作物上の「嫉妬に悶える男」が大好物です。
 
嫉妬、やきもち、悋気…
色々な呼び方はありますが、要するに、自分の好きな人が、自分以外の他人に好意を向けている(ように見える)のが、嫌だと思う気持ち、のことですね。
須田看守は「化け物」とも言っていましたが、嫉妬はとても大きな負のエネルギーを伴うもの。その負のエネルギーが好きな人を取られないよう束縛することに向いた場合は、「独占欲」とも言い換えられます。
 
 
嫉妬に悶える男を描いた創作物は、古今東西数えきれません。
 
例えば、オペラ座の怪人のファントム。
ラウルへの嫉妬に狂い、クリスティーヌをオペラ座の地下に連れ去るも、最後の最後にクリスティーヌにキスをされ、その瞬間に全てを悟り、クリスティーヌ愛していると絶唱して去って行く。見てるこっちの涙が止まらん。
 
例えば、アンミナのヴァージル。
付き合う前、告白すらしていない段階なのに、
「女王になるかどうかなんて、本当は…俺が決めたい。俺が決めたいんです。全部…!」
とのトンチキ発言が印象的な彼。ザ・過保護及び独占欲の塊。
「何言ってんだコイツ」と一方的な愛の深さに若干引きながらも、なぜかどうにもときめいてしまう名セリフです。

 
数ある嫉妬に悶える男の中でも、私の中で印象に残っているのは、なんと言っても「おんな城主直虎」の高橋一生演じる小野但馬守政次。
「くだらんぞ、但馬」
のシーンは、4年も前のドラマのワンシーンをこんなにありありと覚えてるなんてどんだけだよと思いつつ、ちっとも忘れられません。
あの瞬間の政次の寂しくてやるせない表情。 
一人きりの暗い部屋で静かに燃える蝋燭の炎。
家老の仮面をつけて必死で抑え込んできたはずなのに、目の前で見せつけられてこみ上げるドロドロとした気持ち。
自分のことをわざと官職で呼び、嫉妬心などくだらないものだと自分を諫めて、必死にまた抑え込みにかかる苦しい胸の内を思うと、はぁ〜今でも上手く言葉にならない。
見たことない方は、とりあえず「くだらんぞ、但馬」で検索して!!
 
 
そんな数多の嫉妬の名手に引けをとらないのが、チアキ・カシマではないでしょうか。
 
EP3で一気にチアキ沼に落とされた相談員の方も多いですよね?はい、私は真っ逆さまに落ちました。
 
EP3第2面会。
頬杖ついて睨みを効かせながら、相談員に協力して「黄金の蜂」を探してくれた門司君を批判し、メッセージのやり取りをしていると聞いてさらに不機嫌に。
かと思えば、こちらからメッセージを送っているのはあなただけだというと、大変わかりやすくお喜びになる。
 
続くEP3第3面会。通称モジモジカラアゲ事件(勝手につけた)。
相談員の手料理は嬉しいけれど、門司君のついでに作ったというのが気にくわない。
会ったこともない「門司君」にあれこれ妄想を膨らまし、仕舞には、
「ただなんていうか感情が自分で抑えられない」「こんなこと初めてだ」
と面と向かってのたまう。おい無自覚かい。
 
これには、さすがの相談員もあっけにとられた。よね?
そんな相談員を見兼ねたのかチアキを哀れに思ったのかわかりませんが、面会後、須田看守がすかさずフォローに入ります。
「男心というのは、切ないものですね。」
「こと女性に対しては器が大きく見られたいと思いながら、独占欲という化け物に抗いきれない。」
解説丁寧すぎるでしょ!いやありがとうございます!
 
面倒見の良すぎる須田看守、さらには「嫉妬なんかしてないもん」と強弁するチアキに、
「ハァ…何を強がっているんだか。」
「男の嫉妬はみっともないですよ。」
「いいですか。そうやって抑えるべき感情が湧き出してきて止まらないことを、世間では嫉妬というんですよ?」
とまで諭してくださる。
いや、須田看守ナイスアシスト過ぎるでしょ!!!
 

少女マンガでは、好きな人が他の人と仲良くしているのを見た瞬間、胸がちりっとして、「あれっ私何で胸が痛むの…☆」と恋心に気づき葛藤する、なんてのがセオリーですが、
つまり言うまでもなくね、
「(門司君に嫉妬する)感情が自分で抑えられない」
と言うのは、
「あなたが好きだ」
と言うのと、ほぼ同義です。
 
そりゃね、好きな子が違う男と仲良くしたり、違う男のために手料理作ったりしてたら、面白くはないでしょうよ。
でも、そんなことを好きな子に面と向かって言うのは、器が狭いようだし、自分の恋心を悟られてしまうので恥ずかしい。
普通は、大人の男は、胸の中でチクチクもやもやしながらも、ぐっと抑え込みにかかる類の感情です。
 
なのに、チアキは言っちゃう。すっごい態度に出しちゃう。
 
なぜ言っちゃうのか。
 
たぶん、チアキは、それが嫉妬という感情であることを理解していなかったから。
そして理解したときには、コントロール不能なほど強い感情だったからではないでしょうか。
うん、一粒で二度美味しい。
 
チアキは、あのナリであの性格であの経歴なのに、人を好きになったことがないというある意味ピュアボーイ。
加えてシビアな過去の経験により一度全感情を失ったという設定です。
なので、人を好きになって他の人に嫉妬する、というすごく原始的な感情すら、よく自覚できていない。
 
それでも、面会時の自分の態度が不自然だったことには後で気づいて、独房で1人頭を抱える。
でも、止められない。
彼女が好きだとか明確に自覚したわけじゃないけれど、とにかく相談員が誰かに取られてしまうのは、どうしても受け入れ難い。
この間のチアキ・カシマの葛藤を思うと、まぁご飯何杯でもいけますね。
 
そしてこの葛藤の末、EP4の切実な告白につながっていくわけです。
「俺には君が必要だ。君の手を離さない。君が差し伸べてくれたこの手を離したくない。たとえ君が、この手を振りほどこうとしても、俺は、離さない。俺には、君が必要なんだ。」
「好きだ」じゃくて、「必要だ」を繰り返す。
世界各国の女諜報員皆抱いたみたいな顔して(してない)、こんな不器用で独占欲丸出しの告白しちゃうわけですね。なんなのもう最高。
 
この後も、自分から相談員を突き放したのに独占欲に苦しんだり、門司君や須田看守に関するメッセージを送ると途端に「へぇ」とか「ふうん」とか不機嫌になったり、相談員が過去の女に嫉妬する素振りを見せると「気になる?俺に恋人がいたかどうか。」と非常に喜んだりと、チアキ・カシマの嫉妬と独占欲の葛藤は続いていくわけです。はーかわいい。
 
幼い時の心の痛みや傷が、やや強すぎるチアキの嫉妬と独占欲を引き起こしているのでしょうが、渇望していた「自分だけを愛してくれる人」を見つけて、その人に愛してもらって、だんだんと癒されていけばいいな・・・
ともはや誰目線かわからない気持ちで、今日も二次創作を読み耽っています。
 
みんな、おんな城主直虎の政次と、囚われのパルマRefrainのチアキで、嫉妬に悶える男を堪能してね!
そして、二次創作書いて/描いてね!!