カラーエディターで色かぶりを修正
今回はCaptureOne(現像ソフト)の話題です。
先日、とあるスタジオで撮影していた時
予定外だったけどノリで少し遊んでみようとキッチンセットで簡単に照明をセットして撮影。
お遊びなのとスペースが狭いのとで、天井近くにアンブレラディフューズのストロボを1灯置いただけの超手抜きライティング。
それでもステンレスのシンクの反射で全体に光は回ります。
ただ、壁と天井が緑色で更に非常に狭い空間だったため、影の部分や、直接ストロボに面していないサイドや後の方に酷い緑かぶりが出てしまいました。
CaptureOneでの現像時に、この緑かぶりをなんとか解決しようと言うのが今回の趣旨になります。
↓これが撮影したオリジナルの画像
ホワイトバランス
↓ホワイトバランスで緑を打ち消すマゼンタを入れると
あまり緑かぶりが気にならなくはなっても、きついところはしっかり緑が残りながら、画面全体がマゼンタがかってしまいます。
このサイズでは判りにくいかもしれませんが・・・
何処からの光が当たっているかで、色かぶりが起きている箇所と起きていない箇所が同じ画面内で混在しています。
したがって、ホワイトバランスの調整では少しだけごまかすことは出来ても、納得できるレベルの解決にはなりません。
カラーエディター
そこで登場するのがカラーエディター
カラーエディターの詳細タブを開き、スポイトでいじりたい色(今回は肌の緑になっている部分)を指定します
そのままだと触りたくない色域まで影響が及ぶので、円形のチャートの中で影響が及ぶ色域を調整し、
色相を緑→肌の色の近辺になるようにスライダーを調整します。
↓結果画像
そのままだと、緑かぶり→赤かぶりになってしまうので、彩度を落とし
緑かぶりが起きている部分は影になっているところなので、ついでに明るさも少し明るくすると
↓結果画像
肌は良い感じに
ただ、背景の壁や扉の色も緑の部分は引っ張られて色が変わってしまいます。
レイヤー&マスクの威力
そこでCaptureOne6から登場したレイヤー&マスクを使用します。
レイヤーに対してカラーエディター(詳細)は使用できますので、肌の部分にマスクを設定し、そのレイヤーで同様のカラーエディターの操作を行えば肌の部分だけ緑かぶりを修正して背景には影響が及びません。
↓部分調整で新規に調整レイヤーを作成します
調整したい部分のマスクを描きます(ブラシで塗りつぶす)
部分調整を描く と 部分調整の消去 でマスクを定義
マスク設定中は 常にマスクを表示 に
マスク設定し終わってレイヤーに調整を行う時には 設定中のみマスクを表示 に
右クリックでブラシを調整できます
今回、髪や赤い衣装も色相は肌とあまり変わらないので、一緒に塗りつぶして一緒に修正します
↓マスクを塗った所
このレイヤーに対して前述と同じカラーエディターの操作を行います。
↓定義したレイヤーが選択されている状態で、前記と同様にカラーエディターで緑かぶりを修正します。
↓緑かぶりがある状態
↓肌の緑かぶり修正後
↓人物の緑かぶりがほぼとれました
まだ、白いストッキングに緑かぶりが残っているので、こちらも同様に新規に調整レイヤーを作成しマスクを指定します
↓新規レイヤーでマスクを塗った所
このレイヤーに対してカラーエディターの操作を行うのですが、対象が白なので色相を変えるより彩度を大きく落とすことで緑かぶりの色を抜きます。
少し肌の色が透けているので色相も少し肌の色の方へ調整しています。
完全に色を抜いてしまうと不自然になるので、良い具合のところで止めておきます。
カラーエディターで緑かぶりを修正
↓緑かぶりがある状態
↓白いストッキングの緑かぶり修正後
↓結果の画像
これで人物への緑かぶりの修正は完了です
少し大きめの画像(1800×2400pix)へのリンクです
オリジナル画像:http://www.atman-photo.com/photo_data/Machi_w1800_original.jpg
調整結果の画像:http://www.atman-photo.com/photo_data/Machi_w1800_calib.jpg
レイヤーの操作についての補足
その他にマスクしたレイヤーに対して行える操作は
露出(露出,コントラスト,明るさ,彩度)
カラーエディター(詳細,スキントーン)
シャープネス
モアレ調整
透明度
よくあることですが、モデルさんの顔の部分だけ少し暗くなっている場合など、顔の部分だけマスクを設定して露出やコントラストを調整するようなことも可能です。
手焼きプリントの時の、焼き込みや覆い焼きのイメージです。
長い髪や帽子や傘で陰になっている場合など、とても重宝します。
トーンカーブやハイダイナミックレンジ、レベル、ホワイトバランス、カラーバランス、ブラック&ホワイトはバックグランドに対してのみの操作でレイヤーには適用できません。
モデル:駒井まち http://ameblo.jp/komacching/