迷走する高画質馬鹿 -3ページ目

LCCの応用で複写のライティングを簡単に

captureOneでは、レンズの周辺光量落ちや、あおり撮影時に入射角の関係で色がおかしくなるのを補正するためにLCC(レンズ・キャスト・キャリブレーション)の機能がありますが、これは、LCCプレートやホワイトバランスセッターをレンズのすぐ前に置いて撮影し、均等に真っ白になるはずの画面に発生した明暗差や色むらを補正する処理を行っていると言うことで、captureOneで現像する場合、この機能を使えば均等な光を作り出さずとも、ムラのあるライティングで撮影したとしても、綺麗に複写が出来るかも・・・
と、言うことで、試してみました。


手順は

1.複写したい絵や印刷物、写真等を台の上に置いて、歪みが発生しないようにカメラをセット。
(当然、カメラスタンドや三脚でしっかりと固定すること)
2.光源の反射が写り込むことが無い様にだけ気をつけながら、ライトをセット。
3.撮影!
4.カメラや照明をそのままに保持しながら、複写の対象物と入れ替えて、真っ白なムラの無い板か紙を置く。
(レンズの前にLCCプレートを置くのではなく、複写対象物と同じ位置に真っ白なものを配置)
5.再度、撮影!
6.手順5の撮影画像のLCC解析を行う。
7.手順3の撮影画像に対し、LCCで手順6の結果を適用する。



で、実際にやってみました。


今回、使用した素材は

「複写の対象物」は、照明の陰影がわかり易い物を探してみたところ、以前プリンターのキャリブレーション(色合わせ)をしたときのカラーシートが具合良さそうだったので撮ってみました。
「真っ白なムラの無い板か紙」については、インクジェットプリンタ用の光沢写真用紙を使用。



やってみた結果は、


↓複写撮影結果(手順3:LCC適用前のオリジナル画像)

迷走する高画質馬鹿-c1_copy_original



↓LCC用の白を撮影した結果(手順5)

迷走する高画質馬鹿-c1_copy_LCCdata



↓LCC適用結果(手順7)

迷走する高画質馬鹿-c1_copy_adjusted




異なる色の光源でMIX光ライティングも試しました


↓複写撮影結果(手順3:LCC適用前のオリジナル画像)

迷走する高画質馬鹿-c1_copy_original_mix



↓LCC用の白を撮影した結果(手順5)

迷走する高画質馬鹿-c1_copy_LCCdata_mix



↓LCC適用結果(手順7)

迷走する高画質馬鹿-c1_copy_adjusted_mix




結果は、かなり良好です。
色も明暗差も光のムラを補正してくれました。


ただし、今回は、わかり易い様に極端に明暗差があるライティングをしていたため、暗い部分は現像時にかなりの露出補正がかかったようでノイズが出ています。(この記事上の画像では小さすぎてノイズはわかりませんが)
この方法を使う場合でも、極端な明暗差が出来ないように、ある程度は配慮する必要があります。
光の色が違ってもかまわないので、極端に暗くなる部分がなくなるようにしておけば大丈夫です。