『ゴールドフィンガー』を観ました。
合法的な金の売買業者であるゴールドフィンガーに密輸疑惑が持ち上がる。金相場のバランスが崩れる事を懸念するMI6はボンドに調査を命じる。
ドイツに向かったボンド。ゴールドフィンガーが経営する冶金工場に潜入しようとするが、捕らわれの身となってしまう。
ゴールドフィンガーがアメリカ中のギャングを集めてまで実行しようとするグランドスラム計画、その全貌を知ったボンドはゴールドフィンガーの野望を阻止しようとするが……といったお話。
要約すると、世界中の金を独占しようとするゴールドフィンガーの企みを、ボンドが食い止めようとする話です。
OO7シリーズ第3作。
前作で犯罪組織スペクターの実態が明らかになり、いよいよボンドの本格的な戦いが始まる……と思わせておいて、今作ではスペクターの“ス”の字も出ないんだから出鼻をくじかれた気分です(笑)。
そんな今作の敵は、純粋に金が大好きなゴールドフィンガー。
金をお金に換えた上で世界を支配したいとかではなく、世界中の金を我が物にしたがっているような、ただの金マニアというか純粋に金が大好きな人です。
それ故、フォート・ノックスにある金を自分の物にするのではなく、自分が保有している大量の金の価値を上げるための作戦は斬新です。それほどまでに金に執着しているどころか、崇拝すらしているんでしょうね。
この人からは金を搾取できないと睨んだからこそ、スペクターも近付かなかったのかもね(笑)。
そんなゴールドフィンガーさん、デカい犯罪を犯そうとしている割にはケチな側面も持ち合わせているのが憎めません。
カードやゴルフ等、小市民を相手に手の込んだイカサマをしてまでお金を巻き上げようとするあたり、この辺は負けず嫌いの小悪人程度の可愛いレベルです(笑)。
が、自分を裏切る者に容赦はなく、その犠牲者となったのがイカサマの手助けをしたジル。
本作のイメージビジュアルとして知られていますが、全身を金箔で覆われた死体は美しくもあり、今の目で見てもインパクト大です。
そして、殺された妹ジルの仇を取ろうとするティリーもまた悲劇のボンドガールです。
ゴールドフィンガーへの復讐を果たそうとするもボンドに制止され、行動を共にするうちにボンドとの親交が深まり……と予想しますが、そうはならず…。
ゴールドフィンガーとの対決においてボンドがジルとティリーを思い出す様子もなく、ただただ悲しい姉妹で終わってしまうのがモヤッとしますね。
第3作にしてようやく、後にボンドカーと呼べる車、アストンマーティンDB5が登場します。
おそらくDB5が好きな人の9割は本作を見てるんじゃないかな?
エクステリアの美しさのみならず、手元のボタン一つで操作できる秘密機能も満載で、まさに男の子の夢が詰まった車です。年寄りほど好きなんじゃないかな(笑)?
ところで、後のOO7シリーズにもDB5は何回か登場しますが、あれって本作で登場したものと同一って設定なんですかね? トヨタ2000GTやロータス・エスプリもレストアしてやってくれ…。
本作の見どころ、というか聞きどころと言えば♪ゴ~ルドフィンガ~♪が耳に残る主題歌『ゴールドフィンガー』。
シャーリー・バッシーさんのパンチが利いた歌唱が最高です。
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OO7史上、主題歌を2回以上担当しているのってシャーリーさんだけなんだよね(計3作だったかな)。
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Blu-ray版は映像特典満載。
メイキングとは呼べない頃の、当時の舞台裏をを多く収録しているのは嬉しいですね。