ちょっと前にこんな記事を綴りましたが、そんな俺ッチの落胆を気に留めてくれたのか(?)、日本でも『ロミオの青い空』のBlu-rayが発売されるそうです。
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仕様を見る限り、最も気になる画角に関しては4:3との事で大安心。
海外版は半分以下の値段で買えそうですが、あちらの画角は容赦ないトリミングを施した16:9(4:3版も収録しているけどSD画質ってんだからオマケ以下の扱い)。
チト高いけど、画角や画質を優先するなら国内版ですね。
世界名作劇場の作品がBlu-ray化されるようですが、ここでチト驚ける事があって。
まずは第1弾、第2弾がリリースされます。
第1弾が世界名作劇場の代表格でもある『フランダースの犬』『赤毛のアン』というのは順当ながら、『母をたずねて三千里』や『あらいぐまラスカル』を押さえて、まさか第2弾として『ロミオ~』が発売されるのって地味に快挙じゃないですか? 別に発売順=人気順というわけではないものの、少数派による根強い支持がそうさせたのかもしれませんね。
『ペリーヌ物語』に関しては分かりかねますが…(笑)。
いわゆる“サザエさん症候群”に陥るほどに若かった時分の俺ッチは、明日=月曜日の出勤までの時間が憂欝で仕方なかったものですが、『サザエさん』の後に放送していた本作を観て、ちょっとは前向きな気持ちになれたものです。まぁ今になっても月曜日は敵ですが(笑)。
そんな『ロミオ~』という作品は老若男女を問わず、陰鬱な気分で明日を迎えようとする人ほど見ておいてもいいと思うんですよ。
確かに、世界名作劇場あるあるというか、シリーズ前半には主人公が辛い目に遭うシーンは多々あります。
けど、誠実に生きる者には必ず救いがあり、小さな幸せも待っているものです。現実はそんなにお気楽ではないのは分かっているけど、多少は希望というやつを信じてみる気になれる、僅かながらにも元気を分けてくれる作品です。
逆に、頑張れない時は頑張らなくていいという言葉に甘やかされ、逃げ癖が染み付いた人には1ミリもオススメしません。いつまでも逃げ隠れしてろや。
ロミオが過酷な生活を送るのはシリーズの前半までで、後半は仲間たちとの友情物語になり、世界名作劇場のイメージとはかけ離れた熱い展開が待っています。
そしてもちろん、涙なしには見れないシーンも少なくありません。こんな歳になっても、最終回は泣きっぱなしで観れる自信がありますよ(笑)。
本作は連ドラとしての面白さを多分に含んでいるので、ここにもハマれる要素があります。
登場する少年少女は総じて愛嬌があり、特にヒロインが可愛いのも魅力です(もちろん絵柄だけの話ではなく)。
ただ陰の主役であるアルフレドだけは例外で、可愛さはほぼなく、凛々しいという方が正解です。世界名作劇場に準拠した(?)絵柄ながらも、超カッコ良く見えてくるんですよ。精神年齢は20代後半くらいだし(笑)。
ジョバンニに漂うニヒルさも少年感が希薄ですよね、ヤクザの若頭みたいな貫禄もあって(笑)。
アルフレドを演じている藤田淑子さんが超ハマッていてね。トコさんは数多くの元気な少年役を演じてきましたが、どこか冷めたクールな少年の芝居が新鮮でした。放送当時、これにやられたアニメ女子はかなりいたんじゃないかな?
ちなみに、
アルフレドがこんな風になる未来もあったそうな…!
今はただ、これを没にしてくれた人の英断に感謝するばかりです(笑)。
――と、こんな話をしていたら、古い資料を見返したくなってね。
こういう副読本が出るあたり、アニメファンの人気が高かった証なんでしょう。
『~脚本集』は未だ全てを読み切れていませんが、放送されたものと比べるとあったりなかったりするシーンがまぁまぁあります。生粋のクズだったアンゼルモにも、シナリオの段階では最後の最後にちょっとした救いがあったんだな…。
アニメ史を振り返ると、それぞれの年代に当時の流行りの絵柄があるものですが、今の目で見るとキッツい絵柄もあるじゃないですか。奇形だらけの90年代とか(笑)。
アニメは絵が命ですから、絵柄の好みで作品を見るかどうかを決めるのは自然な話で、時代を感じさせるようなドギツい絵柄に食指が伸びない人も少なくないと思います。
その点、世界名作劇場の画風はいかにも子供向け~って感じでシンプルすぎる反面、流行り廃りに流されない絵柄とも言えます。スタジオジブリ作品にも同じ事が言えますね。
つまり、世界名作劇場の作品群はいつの時代に見ても鑑賞に堪え得ると思うんですよ。
“見ておくべき作品!”とかお仕着せがましい事は言わないけど、特に社会人になって辛い思いをしている人には刺さるんじゃないかな。