ローカル局やBS等で古い作品をテレビ放送する際には、決まって”現代には相応しくない表現を含んでいるけど、修整せずに放送するよ”といった旨の断りが入ります。
まぁ、主にはクレームを入れる=他人を困らせて愉悦に浸る悪趣味なバカに向けた警句ですね。だって、わざわざ昔の作品を見るような人がその辺にイチャモンを付けるはずもないでしょ?
そもそも、古い作品の再放送に対するこの手のクレームって、どれくらい来るのかねぇ。
そんな一言をお手軽な免罪符にしたいのは分かるんだけど、昔の作品の全てを一緒くたにするのってどうなんだろうと。
ロクに内容も見ず、ただとりあえず的に、もはやシステムとして言ってるに過ぎないんですよね。
なら、先に放送された作品内のどれが現代に通用しない描写だったの?と、こっちに関して聞き込みたいくらい(笑)。
BSで『金田一耕助シリーズ』が放送されていたんですよ。
こちらも例にもれず、本編の放送前には毎回、
といった警句が表示されます。
この断りの通り、ふた昔前のように本編では放送禁止(or自粛)用語が消される=修整される事はありません。
ただ、それはあくまでセリフに関してのみの話。
金田一作品では男女の痴情のもつれから始まる事件が多いせいか(笑)、その手の描写も次第に過激化し、女性がジジイに見ぐるみを剥がされるというシーンもお約束化して行きます。
そして、そういうシーンに出てくるオッパイには修整=ボカシを入れて放送しています。
…おいおい&こらこら、時代背景や製作者の意図を尊重するとか言ってなかったっけ?と。
同じBSでも、こういうのを修整しない局もあるし、この辺の差がどうも腑に落ちなくってね。
今や絶滅した、いわゆる2時間ドラマの多くには決まってお色気シーンがあったようです(断言できるほどキチンとは見ていないので…)。無意味にオッパイシーンを取り入れるのも、いわゆる数字取りの一環だったんでしょう。
かなり下衆ではあるものの、それも“製作者の意図”として作られたものには違いありません。
そこに修整を入れる時点で1ミリの尊重も感じないし、そもそも製作者の意図なんかどうやって知り得たんだと(もちろん”製作者”はたった一人ではないし)。
自分らの都合の良いように他人の作品を修整&加工しているんだから、あんなスカした警句なんか最初から要らないんですよ。
余談ながら……だいぶ昔、NHK=BSプレミアムで『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』が放送された時は、冒頭に映像に修整を入れているよという旨の警句がありました。
綾波がでっかくなった時の乳首がマズいんだろうなーと思いながら観進めていると、意外にもこれに修整はナシ。実際にボカシが入っていたのは綾波の腕が落ちた際に描かれていた切断(溶断?)面でした。
俺ッチは業界人ではないので詳しい事情は知り得ませんが、ああいう基準って誰がどうやって決めているんだろうね。まぁ、知ったところで納得もしないんだけど。
何にせよ、視聴対象を限定しないテレビドラマごときに修整を入れられるとシラケた気分になっちゃうんだよ。