また『ウエスト・サイド物語』を観ました。
前回の鑑賞記はコチラ。
5分くらい何も起きないオープニングに始まり、152分と尺は割と長めですが、ほとんど眠くなる事もなく観終えられるんですよ。
ミュージカルの歌のシーンって独特のノリが寒く思える事も少なくないんだけど、キチンとお話の一部に見えるのは詞とダンスがマッチしているおかげなんでしょうね。
歌詞だけでなく、ダンスにも多分に意味を持たせた上で感情表現があるのが深いんですよ。中でも、遣り切れない怒りを爆発させたいのを抑えようとする『COOL』はいいですね。
しかしまぁ、ミュージカル部分がなければ本当に暗いお話です(笑)。割と人も死んじゃうしね。
自分らを取り巻く現状は厳しいけど、お互いの強い愛があればそれをも乗り越えられると信じるトニーとマリアですが、そんな無邪気が通用するほど現実は優しくない事を思い知らされます。厭世的というか、世の中に絶望しながらマリアの元を去るトニーが哀しくて哀しくて。
最後に希望の兆しがうっすら見える程度で。敵味方問わずハッピーで終わるキャラが皆無ってんだから救いのない話なのです。
相手が憎いなら殺してもいいのかと問うマリアの、悲しくも怒りに満ちた姿には胸が苦しくなります。
辛い状況の中でも明るく振る舞っていたものの、小さな幸せを失ってしまった彼女が、今後どんな生き方をするのかが気になりますね。
トニーを思いながら残りの人生を過ごす事はあっても、決して自殺はしないと想像しています。
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