『まだまだあぶない刑事』を観ました。
韓国で潜入捜査官をしていたタカとユージが横浜に帰ってきた。
港署の面々との再会を果たす中、7年前に捕らえた尾藤が脱獄した報せを聞いたタカとユージは、若手刑事の水嶋と鹿沼と共に捜査に参加する事に。
手始めに、かつて尾藤と関連のあった西村の事情聴取をしている最中、西村は何者かに狙撃される。
その後、今や県警本部長に昇進した深町と再会したタカとユージ。韓国では核のブラックマーケットが急増中で、押収された小型核爆弾が日本に持ち込まれ、二人にはその横流しをしているという嫌疑が掛けられているという。
軟禁されながらも水嶋の機転で脱出したタカとユージは尾藤の追跡を続行。そんな二人の逮捕、もしくは射殺命令が下された透は……といったお話。
『あぶデカ』映画もいよいよ6作。
各作品に基本的に連続性はないけど、今作は僅かに前作の出来事(特にエンディング)を引き継いでいます。
そして今作のラストで臭わせるちょっとした衝撃……なんて誰も引っ掛かりませんよ(笑)。あの二人が殉職して終わるなんてエンディングは期待していないし、何より信じないでしょうしね。
今作あたりになると、これが最終作と意気込んで作っているんでしょうが、エンドクレジットの最後の1行は”TAKA & YUJI will return”くらいブチ上げたっていいんです!
1987年に始まった第1作から、2005年に公開された今作。
20年近くも経てば、色んな意味で第1作から継続できる要素は少なく、港署もずいぶん変わりました。
ただ、捜査課と少年課が同居しているのは相変わらずで、ここに港署最大の特徴、かつ伝統があります(笑)。
最大の変化は人事で、大真面目に考えれば、特に前作でくだらないオチャラケばっかやってた透が課長とかあり得なさすぎです。木の実ナナさん演じる松村課長が署長に昇進というのもチト納得しがたく、テレビ版ではほとんど出勤してなかったでしょ、アンタ(笑)。
薫に関しては課長になったところで、やっぱりあんな感じだから……どっちでもいいかな(笑)。
往年のベテランばかりでなく若手のキャラも登場。
水嶋と鹿沼という次世代のバディが2代目”あぶない刑事”を襲名するのかと思いきや、"危ない刑事"だったというね。
水嶋を演じるのは佐藤隆太さんで、イメージがガラッと変わった2008年の野球ドラマ以前の出演なので、いかにもルーキーって感じが初々しいです。
ガンマニアという設定の鹿沼は、銃器の描写にこだわりがある(ように見える)『あぶデカ』の世界と相性が良さそうだっただけに、今作限りの登場ってのが惜しいですね。
相変わらずの型破りな行動で上役を困らせるタカとユージ。
クビや逮捕をされそうになる事はよくあったけど、まさか今作では射殺も致し方なしという県警より遥か上層の、内閣情報調査室やら警察庁警備局やらの非情っぷりが恐ろしいですね。あわや透とも敵対関係になりそうだったし。
ただ、そんな一触即発なムードも気が付けばどこ吹く風なのがね…(笑)。
ラストでの爆弾の処理はお気楽で、やや失笑気味です。小型であっても核爆弾なんだぜ?
タカの人並外れた投擲力を以て、放射能が及ばない所までブン投げたんでしょう…。
二人が乗る車は『あぶデカ』の隠れた見どころ。
前作でのアルファロメオに続き、今作ではまたもマセラティに乗ってるのが違和感たっぷりでね。昇進した透や松村が乗るのならセーフだけど、犯人を追跡するための足代わりに使うには贅沢この上ないんじゃない(ユージの私物にも思えるけど)?
あの二人の使い方を考えれば、もう少し安めの国産車(できれば日産)でいいと思うんだよ。
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