観た、『宇宙戦隊キュウレンジャー Episode of スティンガー』 | Joon's blog

Joon's blog

無差別いいねに対してはマメにブロックor通報しているので、スルー推奨です

『宇宙戦隊キュウレンジャー Episode of スティンガー』を観ました。

 

宇宙戦隊キュウレンジャーの一員であるスティンガーは半年前の出来事を思い返していた。

スティンガーは、同じキュウレンジャーであり一方的に相棒呼ばわりするチャンプと共に、サソリ座の同志を裏切り、今や宇宙幕府ジャークマターの手先となった兄スコルピオを探していた。

とある町に辿り着いた二人は、とある女が人々を襲っている場面に遭遇、これを撃退する。

再び現れた彼女=ミカと相まみえる中、スティンガーはミカの孤独を知る。そして、自分を化け物呼ばわりする町の住人への復讐心を燃やすミカを救おうとする。

しかし、ミカはダイカーンからカローへの出世を狙うザンダバルドに利用されている事を知らず……といったお話。

 

今やスーパー戦隊シリーズのスピンオフ作品も珍しいものではなくなっていますが、メンバーの一員をフィーチャーした作品は本作が唯一でしょう。あまりに唐突過ぎて、なぜスティンガー?と当時は思ったものです。今に思えば、大人の目論見が色々とマッチ&リンクしたんだろうなと想像できますがね。

昨今ではネット配信限定を銘打って、ミーハー感丸出しの小品を濫造していますが、1話が10分未満(…)の作品を小出しにするより、1時間近いVシネマを1本として作る方が上品に感じます。

ちなみに本作は59分もあり(テレビ本編の2話分以上!)、劇場版や一部のVSシリーズよりも長いのが好印象です。

 

スピンオフと言えば、“本編=テレビ版の〇話と△話の間を繋ぐストーリー”という作風は止めて欲しいですね(直近だと『仮面ライダーガッチャード』の映画版とか)。テレビ版を欠かさず見てる人をバカにしてる!とまでは言わないにしてもね。

本作もチャンプに関する問題が解決しないまま終わりますが、本編終了から数年も経ってから観ると、正~直、サッパリ覚えてないんだよ…。

 

基本的にスパ戦の本編は約50話近くあるんですから、わざわざ別媒体で番外編なんか作らなくても、本編中の数話を個人フィーチャー回にすればいいじゃん?とも思いますが、根っこは子供向け番組ゆえテレビ本編や映画には、おそらく表現方法にも信じられないくらいの制約が付いて回るんでしょう。

その点、Vシネマはもう少し審査が緩そうなので、作り手側もフラストレーション解消の捌け口を見つけた感じかもしれませんね。

 

…となれば、坂本浩一さんの出番ですよ。

嫌な世の中の流れのせいで最近はおとなしめになっちゃったけど、本作は浩一監督のエンタメ志向全開だった頃の作品なので、しっかり男の子向け作品になっています。

個人的に、変身前の俳優を魅力的に見せるのが浩一監督の好きなところです。男子にはアクションを、女子にはセクシーを!みたいなね(笑)。

決戦ギリギリまで変身させずに生身で戦わせる、それだけ俳優の顔が映る時間を増やしている事でもあり、カッコ良く見せてもいるんですよね。ド最年少の小太郎ですら強そうに見えるし(笑)。1時間近くある変身ヒーロー作品でありながら、変身している時間は10~15分くらいしかないんじゃない?

そして女子もガンガン戦いますが、タンクトップ&ショーパンに全身オイルという出で立ちは、もはや浩一監督作品における正装です(笑)。ミカを演じる間宮夕貴さんの力強いアクションは力演そのもの!

 

人間とイッカクジュウ座のハーフである事から、ミカは異形の腕を持っています。

その他は普通の人間の姿をしているせいで、化け物感がいっそう強まって見えてしまうんでしょう。そんな感情をストレートに出してしまう町の住人の冷酷さが胸クソ悪いですね。

ミカの事情を知ろうとしないだけでなく、理解するつもりもない。歩み寄ろうとする人が皆無ってんだから救いがなさすぎます。

ただでさえ孤独は人の心を荒ませるものですが、そこに追い打ちをかけるように迫害されれば、そりゃ復讐の念に駆られるのも必然です。

ミカが迫害されるのはザンダバルドが仕向けたものでしたが、そこからミカは…。

おそらくミカに同情、かつ賛同してしまう人は多いでしょう。今時のテレビでは、深夜枠であっても放送しにくいっつーか、できないでしょコリャ(笑)。

“血がドバドバ出るから大人向けだ!”とか言っちゃう子もいますが、テレビで放送しにくいテーマを扱えるのもVシネマの特権だと思います。

激しいアクションに目を奪われがちですが、かなり重め、かつ哀しいお話なのです。

 

***************

***************

***************

Blu-ray版の映像特典はメイキングや、スティンガーを演じる岸洋祐さんのMV等々。

どことなくミュージカル風味もある作風なんだよ…(笑)。