また『燃えよドラゴン』を観ました。
前回の鑑賞記はコチラ。
何度観ても、ブルース・リーさんのアクションは隙がありません。
部分部分でありがちな、“あ、今のはちょっとキマッてないな…”と思わせるような動きがないんですよね。
ハンの島は銃の持ち込みNGという設定のおかげで、必然的に体術のみで闘うようになるのがいいんです。80年代の格闘系テレビゲームよろしく、最後のボスが銃を使いでもしたら興醒めだったろうなぁ。
ブルース・リーさんの主演作品ですからね、やっぱり我々はリーさんの活躍を一番の目当てに見ようとするわけですが、作品を観終えてみればリーさんに匹敵する魅力的な俳優&役も少なくない事に気付きます。
ローパー役のジョン・サクソンさんやウィリアムズ役のジム・ケリーさん(コテコテのアフロヘア―がカッコイイ!)を始めとする、武術大会を題材にしているだけあってアクションにキレのある俳優が多いんですよ。
そして本作最大の功労者は、ハンを演じたシー・キエンさん。
正直、あまり聞き覚えのない方ですが、リーさんを相手にあれだけの立ち回りができる時点で、もっと注目されていい俳優だと思います。年齢差もかなりあるし。
リーさんがあれだけの人ですからね、アクションがサマにならない=力量差のありすぎる俳優と闘ってもシラけちゃうだろうけど、観ているこちらがハラハラする時点でかなりの実力者なんですよ。
ハンに招待された人たちは格闘家という繋がりで、少なからず顔見知り程度の縁があるようです。旧知の仲のようであるローパーとウィリアムズが、島流しに遭いそうになる(あと3分もあれば沈没確定だったかも)パーソンズを知っていたりね。
本作の前日譚として、ローパーを主人公にした作品もやれない事はないけど……やらない方がいいよね。
つくづく、102分という短めの尺がいいですね。ストーリー上、しなければならない説明も最低限。
やろうと思えばハンの過去とか、左手を失った経緯も描けるだろうけど、そんな無粋な時間はないのが潔いんです。
逆に、説明不足のせいでチト疑問を感じる箇所もチラホラ。
鉄格子に囲われている男たちがいますが、ハン曰く“役に立たないクズ”との事で(監督曰く、街で誘拐した浮浪者だとか)、彼らは使い物にならない労働力だったって事でしょうか? ローパーに紹介された時は気が抜けた爺さんばかりだったのに、牢から脱け出した途端、スゲー元気に暴れ回るという(笑)。
ついでに言うと、クライマックスの大乱戦が始まった際、ハンは猫の爪を装着して闘いますが、大事そうに持ってきてる箱の中身がそれなの?と。
あれを着けてるハンさん、見慣れてくると可愛く見えて困るんです…(笑)。
別にギャグではないんだけど、笑ってしまうシーンもあります。
地下のアジトに潜入したリーが、先ほど捕まえてきたヘビを通信室にリリースしますが、この時の通信員の人たちのリアクションが最高ですね。
たった一匹のヘビを発見したからって窓ガラスを割ってまで逃げだすとか、どんだけビビリなんだよと(笑)。
リーの侵入を許した警備員やオハラ以上に、この人たちの方がよっぽど名誉を汚してますよ、ハンさん…。
あと、ハンが贔屓にしている手下の一人であるボーローはローパーとの決闘に敗れて(おそらく)死にますが、最後に受けた攻撃って急所じゃない?
急所をトドメに刺されて死ぬキャラって、映画史上においてもほぼ皆無なんじゃないかな…(笑)。
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