水木の前に水木なく、水木の後に水木なし! | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

水木一郎さんが亡くなりました。

 

近年の活動はネットニュースで見知りする程度で、癌と闘病中だと知っても、ああいうキャラの水木さんなら絶対に大丈夫だろうと軽く見ていましたが、そう思うのも所詮はパブリック・イメージに過ぎず、水木さんだってやっぱり普通の人間だったんだよねと、残念な思いでいっぱいです。

もう10年も若ければ、知った瞬間に泣いてしまっただろうな…。

 

おそらく、現在生きている昭和生まれのオジさんであれば、これまでの生涯において水木さんの歌は一度でも口ずさんだ事があるはずです。

ジイさんと呼ばれる層でさえも、当時の子供に付き合って一緒に歌った事があるんじゃないかな。

 

ここでちょっと、どうでもいい話。

水木さんは“アニキ”と呼ばれる事が多いですが、これが浸透したのは1999年にフジテレビで放送していた『快進撃TVうたえモン』によるものだったと思っています。

これはアニメだの変身ヒーローだのといった、そっち系の(笑)主題歌を本人に歌ってもらう内容で、水木さんはこの番組の常連でした。知名度も上がり、水木さんが小忙しくなったのは、この番組を境にしていると思います。水木さんの1000曲ライブの後押しをしたのも、この番組じゃなかったかな。

今ではBS等でアニソン番組もやってるし、出演ゲストもずいぶん豪華なようですが、この番組は当時どころか現在においても歌ゲストが極めてレアで、北島三郎さんが『詠人』を、西城秀樹さんが『ターンAターン』を人前で披露したのって、この番組以外にあるんでしょうか?

 

水木さんが“アニキ”と呼ばれるようになり、いわゆる“アニソン”という言葉が一つのジャンルとして確立し始めたのも、この頃だったように思います。

それまでの“テレビまんがの主題歌”程度のものが、アニソンというジャンル、もしくは文化を築き上げたのは、水木さんを始めとする方々が辛抱強く歌い継いできたからこそであり、これはもはや功績です。

『マジンガーZ』というお話は知らないけど、歌としての『マジンガーZ』を知っている人は意外と多いのが、その証左でもあるんじゃないかな。

 

これは1990年頃に発売した、全5巻の『水木一郎大全集』。

“大全集”と謳っていながら全ての曲をコンプできていないのは、いい大人であれば察しが付くはずです(笑)。水木さんが歌った全ての曲をリストアップするだけでも大変そうだしね。

今回の訃報に際して引っ張り出してはみたものの、今の状況で水木さんの歌を聞くのはチト辛いので聞けていませんが、このCD帯に注目です。

 

水木の前に水木なく、水木の後に水木なし!――我々が知り得る水木一郎を総括するなら、このひと言こそが最も相応しいのではないでしょうか?

30年以上も前ながら、こんな名コピーを考えた人に拍手ですよ。

 

締めくくりとして、水木さんが一番好きな曲を挙げ……たいところですが、一番なんて挙げられませんからね。10曲選べと言われても、数年は熟考します(笑)。

 

…というわけで、水木さん、本当にお疲れ様でした。

この先、さらに歳を取ってボケ始めたとしても、あなたの歌はなかなか忘れる事はできなさそうです(笑)。

それほどまでに俺ッチの血肉と化すような歌を届けてくれてありがとう。

あっちの世界でも熱く歌うんだZ!