『帰ってきた天装戦隊ゴセイジャー last epic』を観ました。
地球の平和を取り戻した護星天使=天装戦隊ゴセイジャーの5人は人間界に残り、なるべく天装術を使わず、人間としての生活を過ごしていた。
ある日、銀行強盗に遭遇したアラタは、やむを得ずゴセイレッドに変身し強盗を撃退する。アラタは一部始終を見ていた人間の記憶を天装術で消そうとするが、効果が表れない。急いで地球に戻って来たデータスの分析によれば、謎の電磁波が地球を覆い、そのせいで一部の天装術が使えなくなっているというのだ。
5人は記者会見を開き、自分らがゴセイジャーである事を人間界の人々に明かす。そこに芸能事務所のサカイが現れ、5人は半ば強引に芸能人デビューさせられ……といったお話。
現在、テレビ版『天装戦隊ゴセイジャー』を観ているのでね、そんなタイミングで本編終了後のお話である本作を観るのは気が引けるんですが、前作=『帰ってきた侍戦隊シンケンジャー』同様、やってる事は余興みたいなものなので、気楽に楽しめます。
その後のゴセイジャーの面々は人間界で生活しているんですが、
・アラタ→人間が好きなので接客業→分かる
・アグリ&モネ→大地を知るために農家→まぁ分かる
・ハイド→海を綺麗にするための研究者→分かる
・エリ→小学校の保健室の先生→えっ
と、エリに関してはチト違和感が否めませんね。エリは歌手、もしくは「何とかなるなる」の精神でズボラな生活を送る学生くらいが妥当だと思ったんだけど(笑)。
ちなみに、サブタイトルは『護星天使が国民的アイドルに!?』。
…おいおい、女性戦士を演じた多くの女優が当時を振り返り「恥ずかしかった」と言わしめる、荒川稔久の脚本でアイドル話でもやるのかよ?と思いきや、“アイドル”や“芸能人”というより“有名人”で済んだのは、観ているこちらとしても安心しました。
何しろ、スーパー戦隊のアイドル話って、演じる人がただただ気の毒に思えるので(笑)。
コメディ要素は多めだけど、有名人としての一長一短を描いた、テーマとしては割と重めなお話です。
あらぬ噂を書き立てられてネガティブな発想に至るユメコはまだしも、ゴセイジャーがやられている映像を見て負けちまえだの何だのと声を荒げるアンチ集団とか、絵空事ながらも残忍な世界です。
現代世界がこれに近付きつつあるからこそ、寒々しく見えてしまうんだろうなぁ。
余興ながらも、いつものような、『~ゴセイジャー』独特の雰囲気が全体を包む本作。
ラストシーンでは視聴者に向けたメッセージを送ってくれますが、まるで我々にも記憶消去の天装術が向けられたかのようで、最後のカットでちょっと切なくなる人も少なくないんじゃないかな…?
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Blu-ray版は『帰ってきた特命戦隊ゴーバスターズ』を収録。
メイキング映像はありませんが、静止画データは満載です。