『特捜戦隊デカレンジャー THE MOVIE フルブラスト・アクション』を観ました。
地球にやってきたアルゴル星人の犯罪集団、ガスドリンカーズを追うS.P.D=特捜戦隊デカレンジャー。
捜査の中、デカレッド=バンは酒場の歌姫マリーと出会う。そしてマリーもまたS.P.Dの一員であり、独自に捜査を続けていた。
マリーの故郷であるレスリー星の人々は、人間を機械奴隷にする“金色の雪”と呼ばれるウイルスにより壊滅寸前。彼らを救える唯一の手段は、ガスドリンカーズが持っているワクチンだけだという。
そんな中、解析中の“金色の雪”がマリーにより持ち出される。敵との繋がりが疑われるが、それを信じたくないバンはマリーを追う……といったお話。
どーでも話ですが、『百獣戦隊ガオレンジャー 劇場版 火の山、吼える』以降、夏には毎年スーパー戦隊(と仮面ライダー)シリーズの劇場版が公開されていますが、未だにこれを観るために映画館に行くようになったのは今作からなんですよ。
仲が良かった知り合いの子供と観に行くのが恒例行事となっていたんですが、子守りという口実なんて二の次、本気で観たがっているのは俺ッチの方ですよ(笑)。
初めて観に行ったのが本作なので、思い入れもある作品なんですよね。
けど、子供も歳を取ればこの手の作品に興味がなくなるのは必定ですからね、今ではオジサン独りで観に行く始末です(笑)。
もう疎遠になったけど、達者で暮らしているかなぁ…。
本作を観てつくづく思ったのは、名乗りのシーンこそスーパー戦隊の一番の魅力、もしくは最大の見せ場なんだなぁ、と。
個人名→戦隊名の名乗り→爆発という流れに感動というか、ゾワッと来るものがありますよね。映画館の大画面で観れば、なおさらにそう思います。
日本映画史における伝統文化と言っても大袈裟ではない……はずです。
舞台挨拶にて渡辺勝也監督は、“同時上映の『仮面ライダー剣』より短くて39分しかないんですが…”といった旨を語っていました。
確かに『~剣』に比べば短いけど、夏のスパ戦映画の中では現在においても最長尺の作品です。
それ故か、そんな事に時間を割けるんだ?と思うシーンが多く、時間的にゆとりを感じるのが良いんです。
尺が短ければカットされていただろうと感じるのは、ウイルスを持ち出したマリーについて討論するシーンですね。
ジャスミンの能力によりマリーがクロである事は証明されたものの、その先としてガスドリンカーズとグルなんじゃないかと推測するのは自然な流れです。
けど、バンだけはこれを信じようとせず、シンキング後のセンちゃんやホージーらと衝突しますが、ちょっと過激な見せ方ですね。
うるせーババア連中なら騒ぎそうなものですが、心底よりマリーを信じようとするバンのまっすぐさや熱さが伝わるような、男優3人の熱演が光る実にいいシーンです。
本作のゲストキャラと言えば、ガスドリンカーズのボスであるヴォルガ―を演じる遠藤憲一さんです。
これは『ナルニア国物語/第1章: ライオンと魔女』の吹替版を観た時にも思ったんですが、子供向けの作品に出演しているエンケンさんの芝居って浮いてるんですよ。
本作のように無邪気な要素が多い子供向け作品の中に、Vシネマ等の大人向け作品で見せるような芝居をするという、手心を加えないのが真摯的に思えます。
ヴォルガ―って変身しない方が怖いと感じるとしたら、意外に精神年齢が高い子供ちゃんですよ(笑)。
ガスドリンカーズと言えば、3人の部下を演じるのは田村円[タムラ・マロシ]さん、天祭揚子[アママツリ・アキコ]さん、岡本美登[オカモト・ヨシノリ]さんという面々。これ、岡本さんの代わりに西凛太朗さんだったら、妖力でも使いそうだな…。
大マジになって考えるところじゃないけど、奴隷化するだけならまだしも、ウイルスで人間を機械化してしまうって、ネタ的にもなかなかの力技ですよね(笑)。
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Blu-ray版には『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー』を収録。
メイキング映像等はありませんが、静止画のデータファイルは多めです。