ようやく
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↑も全作を観終えた事だし、チャールズ・チャップリンさんを堪能する締めの一本として、『チャーリー』を観ました。
チャールズ・チャップリンの自伝を出版するにあたり、編集者のジョージはチャップリンへのインタビューを敢行していた。
イギリスの、売れない歌手である母の代役として舞台に立った事から、チャーリーの役者人生は始まる。
カルノー一座に入り、喜劇役者として頭角を現し始めたチャーリーはアメリカ遠征に挑み、映画という新たなステージで見事に成功、たちまちに大スターの座に登りつめる。
しかし、映画の中のチャーリーのコミカルな役とは裏腹に、私生活では波乱と苦悩に満ちた人生を送っていた。
母の病気、初恋、トーキーへの葛藤、幾度の結婚、フーバーとの確執――過去を振り返りながら、チャーリーは静かに語る……といったお話。
チャップリンさんの生涯を描いた、いわゆる伝記映画です。
その人の残した功績に興味があっても、人とナリについてはあまり関心を示さない俺ッチゆえ、思い返せば伝記映画はあまり見てきませんでしたが、チャップリンさんに関しては気になってしまうんですよね。
時代の流れとして、トーキーへの移行を迫られるものの、チャーリーはサイレントに拘り、手法としては古臭くなってしまっても、英語が分からない人が見ても楽しめると力説します。
もう何十年も昔ですが、これに近い話として、日本で生活を始めるようになった外国人が、一番最初に定期的に見るテレビ番組が、志村けんさんの番組だったそうです(時期的に『志村けんのだいじょうぶだぁ』だと思う)。
日本語がロクに分からなくても、見ているだけでも楽しめるのが理由だったようですが、まさにチャップリンさんのそれですよね。まぁ、志村さんはそこまで深く考えていなかっただろうけど。
昨今の、言葉ばかりを発するお笑い芸を否定はしませんが、もっと体を使って笑わせるような、それこそコント中心に活躍していた志村さんの意志を引き継ぐような番組が絶滅してしまったのは残念ですね。
チャップリン役を演じるのは、若かりし頃のロバート・ダウニー・Jrさん。
「誰がチャップリンを演じられるんだよ?」という懸念が真っ先に思い浮かびますが、そんな心配は一切無用、もう色々と完璧です。
まず顔が似てるというのが第一印象。青年~老年期を演じていますが、特に老年期とかホントにそっくり! もちろん特殊メイクの恩恵もありますが、それだけではこうまで似せられませんからね、ベースとなる顔立ちから似ているんでしょう。
映画の再現シーンもあるので、映画の中で見せるチャップリンさんの立ち居振る舞いをしっかり再現しているのも驚きです『黄金狂時代』でやってた、フォークを刺したパンを靴に見立てたダンスとか、もはや完コピです。“物真似”なんてレベルを遥かに凌駕しています。
公開当時=1993年の頃のダウニー・Jrさんはこういう役者バカな面を持っている裏で、クスリに溺れてだらしないし生活を送っていた時期もあり、せっかくの才能を腐らせてしまって勿体ないと思ったものです。
あのアメコミヒーロー作品で完全復活してからの活躍ぶりは周知の通りですが、個人的にダウニー・Jrさんの代表作どころか、ベスト1は本作一択です。
全てを紹介はしないけど、キャストが地味に豪華なんですよね。あまり話題にならなかった気がしたけど。
ここで思うのは、伝記を映画として見せるメリットは、エンターテインメントである以上、登場人物を美男美女で見せてくれる点にあると思います。
特に女性に関しては美人揃いで、これじゃ移り気気味になってしまうのも仕方ないと思わせます(笑)。
その中でも注目すべきは、最初の妻であるミルドレッド・ハリスさんを演じるミラ・ジョヴォビッチさんですね。まだ若く、屈強な女性というイメージが全くなかった頃だけあって(笑)、超カワイイんですよ。あの特徴的なネコ目も健在です。
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映像特典は監督であるリチャード・アッテンボローさんのコメント映像が主。思っていたものを撮れなかったと後悔するようなコメントは控えて欲しかったなぁ(笑)。
ダウニー・Jr さんの吹き替えは山寺宏一さん。約30年後に、本物のチャップリンさんの吹き替えを担当するなんて思いもしなかっただろうね。