『クラッシャージョウ』を観ました。
宇宙を股に掛ける何でも屋クラッシャーのジョウは、ある男より、エレナという重病の女性を惑星ミッコラに届けて欲しいとの依頼を受ける。
ジョウらはさっそく出発するが、ワープの最中にトラブルが発生し、依頼人の男とエレナの入ったカプセルが消えてしまう。ジョウらは誘拐の疑いで連合宇宙軍に逮捕されてしまう。
海賊の容疑は晴れて釈放はされたものの、半年の資格停止処分を受けて腐るジョウ。
実はジョウらが運んでいたのはエレナとは全く違う別人で、惑星ラゴールを拠点にするマーフィー・パイレーツの罠である事を知ったジョウらは惑星ラゴールに飛ぶが……といったお話。
本作が監督デビュー作である安彦良和さんが、先日、日本アカデミー賞の教会特別賞を受賞されました。
もちろんアニメ映画への貢献に敬意を表してなんでしょうが、昭和の頃から安彦さんを知っている身としては、とうにアニメ仕事から遠ざかっているのに何を今さらといった感じです。
日本アカデミー協会というものがあったとして、ガンダム以外の仕事を、本作を知っている人間がどれほどいるのやら怪しいものですね(ちなみに本作は1983年の作品)。
とりあえず、安彦さんの生存中に授与したという判断は評価されるべきだと思いますがね。
劇場用映画として、そんな安彦さんの黄金期を堪能できる作品の一つが本作だと思います。あとは『機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙』と『アリオン』ですかね。
個人的に、アニメーション映画とは、絵を楽しむ事を前提にして見ていいものだと思っています。
アニメキャラがカッコイイだのカワイイだのと言ってる連中がキモいと感じる人もいるでしょうが、実写映画におけるキャラ(=役)だって、この世に実在している人間が演じているとは言え、画面の中に納まっているという意味では、双方共に2次元の存在でしかありません。
実写映画を出演者を目当てに見る人は多いと思いますが、キャラを目当てにアニメ映画を見るのはそれと同じ事だと考えます。これも立派な芸能の一環じゃないでしょうか?
それ故に、まだ現役のアニメ屋だった頃の、安彦さんが描いた原画が動く作品として本作楽しむのもアリだと思うんです。
安彦キャラだけではなく、メカのデザインが秀逸な本作。かつ、安易に人型ロボットが出ないのが良いんですよね(キリーのアレはロボットとみなしませんので)。
その証左としては、近年になって尚、プラモデル化されるものがあるくらいですからね。ターゲットは初老だろうけど(笑)。
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↑↑↑↑のファイター1しか買ってないけど、買い揃えたくなりますね。
ミネルバに関してはOVA版も発売していますが、安彦さんが絵描きとして参加していないOVA版は絵的に1ミリの魅力も感じないので紹介もしません(笑)。
安彦さんを以て小規模で作られたとの事ですが、いやいや、十分に一級品ですよと言いたくなるのは、やや主観的な意見かな?
安く済ませるために、コネで人手を借りる事もあったそうですが、
おいおいおい……今だったら、これだけの名前を同一画面に並べられる映画なんて作れませんよ。
こういう点も含めて、根底的に楽しそうに作ってる雰囲気があるのも好きな作品です。
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↑↑のBlu-ray版BOXは高すぎるから真っ先にスルーして、確実に見たいなら↑↑↑の配信版かな?
俺ッチは↑のBlu-ray版で観ましたが、スタッフ&キャストが対談する映像特典も収録されるという嬉しい配慮(佐々木るんさんの博識ぶりに驚き)。こちらは動作環境が一般的ではないので、あまりオススメはしませんが、参考までに…。
この映像特典の中で、30分ほど編集でカットしたと言及していました。
安彦さん曰く、かなり頑張って描いたから切りたくなかったと言っているくらいだから、見どころの一つにでもなっていたはず。
それを鑑みて……それらを復活させた完全版の製作、今からやりません?