『スターシップ・トゥルーパーズ3』を観ました。
地球連邦軍とバグとの戦いは未だ続く。
植民地ロク・サンで機動歩兵隊長として戦い続けるリコの下に、アノーキ総司令の戦場視察の護衛としてディックス将軍がやって来る。
リコとディックスは旧知の仲であり、艦に同乗していた元クラスメイトのローラも今ではディックスの恋人になっていた。
2人との再会を喜ぶリコだったが、些細な揉め事からディックスにより逮捕されてしまう。
そこへ電磁柵を破ったバグが侵入し、ロク・サンの基地は壊滅状態に追いやられる。
辛くも危機から免れたディックスたちだったが、戦艦が撃沈され、ローラはアノーキを連れてポッドで脱出。しかし、不時着した先はバグの本拠地とも呼べる惑星OM-1だった。
一方、命令違反の罪に問われたリコは絞首台に乗せられ……といったお話。
要約すると、バグが群がる星に不時着した司令官を救出しに行く話です。
1作目ぶりのジョニー・リコが帰ってくる!という触れ込みでしたが、見せ場としては立派にヒーローしてるものの、出ずっぱりの主人公主人公していないあたりにモヤモヤする人もいるかな?
入隊から8年で大佐にまで昇格したとの事ですが、1作目では同期で超能力の素質があったカールは、ラストで既に大佐だったんだよね。超能力将校こそがエリート、一生うだつの上がらない機動歩兵は底辺という暗黙のカースト制度があるんですよ(笑)。
階級はさて置いても、リコは歩兵魂の象徴というか、現場で小銃で戦っている方が似合ってますから、これはこれでいいんです。
機動歩兵と言えば、未だにマシンガンでチマチマと頑張っている姿は悲哀すら感じますね。
一般的なバグ1匹を殺せるまでああまで弾を使うんだから、グレネードの威力を鑑みると費用対効果が悪すぎです(笑)。
バグとの戦闘も長引き、連邦軍も確実に軍拡しているはずなのに、未だにそんな武器しか支給してくんねーのかよと。機動歩兵の命や尊厳が軽視されている表れですね。
そんなブラック気味な状況下で8年も生き残れたんだもん、リコが大佐になっていても疑問はありません。
バグとの戦争も長引いているせいか、どんどん軍国主義がエスカレートしているのは空恐ろしいですね。
戦闘シーンはあれど戦うのは仕方ない、でもできれば戦いたくないよねという作品は多々ありますが、本作の中でそんな思想を口にすればソッコー処刑されます(笑)。
和平なんてあり得ねぇ、敵を完膚なきまでに叩き潰すために戦う者こそが国民の鑑とされる、なかなか狂った世界です……と、これをナンセンスと思えるのは平和な世界に生きている証拠なんでしょうね。
前半のディックスの行動がチト意味不明というか、チト理解不能に思えてね。
リコとは顔馴染みで仲が良かったんだけど、自分の恋人であるローラと元クラスメイトだったと知った瞬間に急変。二人が再会を祝してハグだのキスでもしてるわけでもなし、その程度でジェラっちゃう?みたいな。
これを根っこにリコに対する敵愾心がメラメラ、明らかな公私混同&職権乱用でリコを逮捕させます。
そのくせ、ローラがバグだらけの星から救難信号を発していると知った途端に、餅は餅屋のごとくリコに救出の命令を下すんだから、ずいぶん調子いいヤツだよね。頼みとかお願いではなく命令調だし。
善か悪かと問われれば善の側にいるんだけど、このあたりが疑問に思えて、ちょっと感情移入しにくいキャラだなぁと。
原作で登場したというパワードスーツ=マローダーが満を持して、ようやく今作で映像化が実現したとの事。
実現したのはいいけど……これ、何ていうゲームから貰ってきたんスか?と(笑)。
80年代に宮武一貴さんがデザインした↓こっちの方がカッコ良いけど、あいつらと対等には戦えないかな…。
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今のところシリーズは今作が最終作ですが、マローダーを大活躍させるためのあと1作が欲しかったですね。
アニメ版『宇宙の戦士』、北米版でBlu-ray化してくれぇぇ…(そして強制字幕に絶望するまでが1セット)。
後に3D-CG作品がいくつか作られているようですが、正式な続編とかシリーズ最高峰の出来だったとしても、個人的にはスターシップ・トゥルーパーズシリーズは今作で完結です。
3D-CG作品はそれだけで嫌いなので、何も言及しない代わりに何も見るつもりもありません(笑)。
どーでもいい事ながら、漫画の実写化は大嫌いけどアニメなら歓迎っ☆という連中って、3D-CGだったらどう思うんだろう?
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Blu-ray版は廉価版なので映像特典は一切ナシ。嫌らしいソニー商法ですね。吹替版を収録しているだけでもマシな方なのかな。
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