観た、『女必殺拳』 | Joon's blog

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『女必殺拳』を観ました。

 

香港の麻薬捜査官である兄、万青[マンセイ]が消息を絶った事を知った妹の紅竜[コウリュウ]は、万青の潜入先であるセントラル貿易のある日本へ向かう。

紅竜はセントラル貿易へ潜入していたファンシンとの接触を図り、薬漬けにされながらも万青がまだ生きている事を知る。

次々と仕向けられるセントラル貿易の用心棒たちを倒しながらも、紅竜は万青を救い出す事ができるだろうか?というお話。

 

何度観ても、やはり志穂美悦子さんの存在は日本映画史上における無二の至宝です。

当時が今の世の中のように過剰なヨイショをしたがる風潮であれば、おそらく志穂美さんは海外で大活躍するような、ドル箱スターの1人となっていたでしょう。

そんな風潮もなく、むしろ女性アクションがそれなり程度にしか評価されない時代だったからこそ、周知の通り、俳優業を引退し家庭人となるという選択肢が上位に来たのかもしれません。。

近年でも、それなりには立ち回りのできる女優は少なくありませんが、そんな才能を伸ばす環境を与えない邦画界とは、実に勿体ない事をしているなーと思うと同時に、だからこそ志穂美悦子さんは未だに唯一無二の存在なのです。

後に続く人が現れない限り、“日本映画史上における無二の至宝”という大袈裟な言い回しをせざるを得ないのです。

 

そんな才能を見い出したとされる千葉真一さんは、いわば志穂美さんの後見人のようなもの。志穂美さん初の主演作品ではないにしろ、師弟関係のごとく共演しています。

志穂美さんばかりに注目しがちですが、千葉さんのアクションも実に力強い!

千葉さんのアクション作品ももっと見たいところですが、あのあたりの時代の、千葉さんの格闘系アクションをフィーチャーした“『○○!△△拳』”的なタイトルの作品って、ほぼ無限にありますからね(笑)、さすがに追いきれません。

 

ぶっちゃけるまでもなく、本作は志穂美さんのアクションを堪能する作品と断言しましょう。

つまり、ドラマ上における粗探しをするのはヤボという事です。

何が言いたいのかというと、紅竜は警察筋の人なんでしょうか?と。

冒頭、香港の警察で万青の事を教えてもらいますが、ここでのシーンを見る限り、身内という特権(?)として万青に関する情報を教えてもらっているだけに見えるんですよね。

まぁ、一般人であっても警察であっても、ああまで悪党をブッ殺す(not痛め付ける)んだから、本来なら由々しき問題に発展しそうですが、日本の警察は登場しないのが本作の恐ろしい世界観(笑)。

そんな近年のエンターテインメントにとって目の上のタンコブである、“こんぷらいあんす”なんて言葉は本作には不要! 痛快ならそれでヨシ、それがエンターテインメントのあるべき姿だろう?

 

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