観た、『女子ーズ』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『女子ーズ』を観ました。

BSプレミアム、攻めてるなー。

 

一言で片づけてしまえば、その名の通り女子オンリーで構成された戦隊ヒーローのパロディ作品。

“パロディ作品”という言葉には、オリジナル作品を少々小馬鹿にするようなニュアンスを含んでいる傾向がある(気がする)ので、スーパー戦隊をこよなく愛する俺ッチは憎悪の対象になり得ます(笑)。

とは言え、約5人(もしくは5色)の戦士が集うヒーローはスパ戦だけじゃないですからね。まぁ普通の人はスパ戦を直感的に思い出すだろうけど、超星神シリーズだってある意味では戦隊ですもんね(←そろそろ懐かし~)。

そんな作品が作られたり世の中に通用するという事は、すなわち世の周知度の高さを表すものですから、そこは目くじらを立てずに、寛容を以て接するとして。

 

パロディというより、スパ戦に限らない、ああいう変身ヒーロー作品における不文律へのアンサー(正確にはツッコミ)を描いた作品なんでしょうかね。

ああいうヒーローって、戦士としてランダムに選ばれるのも不条理ですが、悪と戦う使命を与えられたところで、それを全うしたとしても、ちゃんと生きて行けるのか? “生きる”というより、生活ができるのか?という疑問は、誰しもが感じるものだと思います。

チェンジマンやオーレンジャーのような軍人、デカレンジャーやパトレンジャーのような警察といった、国ぐるみの組織であれば給料もキチンと出るんでしょうが、多くの一般的な戦隊(つーかヒーロー全般)は自発性に基づく一種の活動家のようなものなので(笑)、基本はノーギャラです。

主人公の赤木直子は会社勤めをしていて、美術館を建てたいという夢を抱いていますが、つまりは給料を多めにもらうための労働です。

金にならない押しつけがましい使命と自分の生活、あなたならどっちを選ぶ?と聞かれれば、間違いなく、選ぶのは後者なんですが、その狭間で揺れるヒーロー(ヒロインですが)の葛藤は現実的ですよね。実際に実行したら、ひと月で有給休暇なくなっちゃいますよ(笑)。

まぁ、ああいう作品はフィクションの極みたる作風なので、リアルな生活感を求めすぎるのは無粋な話なんですが…。

 

当時は今ほどではないにしろ、それでも、よくもあれだけの面々の女優を集めた上に、あんなしょーもない真似をさせられるのも、福田雄一監督の手腕あってのものなんでしょうね。

作風としては、勇者ヨシヒコシリーズみたいなモンです(笑)。佐藤二朗さんも、仏とやってる事は変わんないし。

個人的にヨシヒコは、時事ネタの嵐だった3作目で飽きた(つーかウンザリした)ので、そこまで面白くは感じなかったんですが。

 

ある意味、体の線が出るようなピッチリしたスーツより恥ずかしい衣装を変身後=戦闘のための衣装とするなら、アクションシーンにもう少し力を入れて欲しかったなぁ。変身後に重きを置いた作品でないのは分かるんだけど…。

そもそもヒールという時点で戦う気ゼロの衣装ですが(笑)、1から10までへっぴり腰のアクションは、もはや微笑ましい域です。

…いや、変身前=素面ではたどたどしい動きだったヒーローが、変身すると機敏に動けるようになるという、実は近年のヒーロー作品への風刺を含んでいるのかも(笑)。

まぁ、顔が見えなくなるようなスーツに変身したとして、ああまでスタイルが良いとされる面々の吹き替えをやりたがるスーツアクトレスさんもいないでしょうが…。

 

近頃、本作に登場していたキャストの方々が、プライベートで集まろうと発言していたのが話題になってましたが、奇跡の続編とかありそうですかねぇ? 

本気でやるなら製作費は捨て身の度外視でしょうが(笑)、今の時代ならソッコー回収できそうな気もしますね。

 

仮に続編をやるなら、6人目の戦士ネタを取り入れて、バンバンCMに出てるような人をキャスティングして欲しいですね(←他人事)。