
恒例の、スパ戦VSシリーズです。
“恒例”と呼べるくらいに定着したんだから、何とも良い時代になったものですよね。
30分を越えれば御の字だった尺も、今では約1時間もあるんだから、ありがたい事です。
これでロボ戦さえなければ最高なんだがなぁ…。
VSシリーズは、2大戦隊の夢の競演が最大の見どころ。
使命は似たようなものですが、それぞれの戦隊には独自の雰囲気やチーム感があり、その温度差がどれほど違うのか比べてみるのも楽しみの一つ。
確実に頑張っているのは分かるんですけど、キョウリュウジャーに比べればトッキュウジャーはユルユルに見えますよね、やっぱ(笑)。
まぁ、キョウリュウジャーの総員数は異常ですからね、変身前の俳優陣を全て揃えるのは難しいでしょう(予告で弥生を見たのは夢の中の話だったのかな…)。
声だけでも全員集合できたのが、せめてものファンサービスの限界かな?
ふと思ったけど、キョウリュウジャーって家族関係にある戦士が意外といるんだね。父子とか兄妹とか……おっと、夫婦の可能性もある人達もいるな…(笑)。
子供トッキュウジャーに関しては、本作のトピックの一つ。
近年では減少傾向になりますが、このテの変身ヒーロー作品に子供の出演者は欠かせません。
その多くは(子供の)俳優や役柄を軽視するような、つまり使い捨てのような扱われ方をしてきました。
けど、『トッキュウジャー』に関してはそれとは一線を画していて、たとえ子供であっても一つの役どころか、レギュラーキャラとほぼ同格に扱う姿勢が実に真摯。
でもなければ、子供状態でトッキュウチェンジなんかさせないし、それだけ役を重要視している証拠なんじゃないかと。
「こんな状態で、本当に変身できるの~?」とかしょーもない茶番を入れず、変身できて当たり前という心持ちであっさり変身に臨むあたりも、これまでの状況を端的に表していて上手いと思いました。
あと、うっすらジーンと来たのが、キャンデリラとラッキューロ。
デーボス軍にいる時から大して使えない人達でしたが(片方は働きすらしなかったけど…)、追放され人間界で生きている今では、それまで以上に大した事もできない。
そんな自分等であっても何かしなきゃいけないっつー事で、ああいった行動に出るワケですが、非力な者は非力なりに、協力できる手段は必ずあるって事を教えてくれます。もはや小市民レベルですが、そんな健気さに泣けた(笑)。
出演者のインタビュー等を読むと、キョウリュウ側としては、脚本は三条陸さんが良かったようです。
少なからず打ち合わせ等はあるのかもしれないけど、できればVSシリーズは両作のメインライターの連名による脚本が理想です。たまにある、両作を合わせても5本も書いていないようなゲストライターが脚本とか、本来ならあり得ない話だと思うんだよね。
…でまぁ、本作の脚本は『トッキュウ』のメインであり、抜群の安定感を誇る小林靖子さんだったんですが……やはり自分が携わっていない作品は勝手が違うのは分かるし、不勉強であっても仕方ない。
でも、映画はたった一人ではないどころか、ものすごい数のスタッフによって作られるものです。
だからこそ、それだけの頭数がありながら、スパ戦同志の共闘を描く作品でありながら、なぜコレがない事に誰も気付けなかったんだろうと、ただただ残念でした……「俺たちは戦隊だ!」。
ところで、現時点では謎の新戦隊も登場しますが、意外と早い登場だったのがビックリだったかな。
そういえば、個人名の色に日本語を持ってくるのは、なにげにゴレンジャー以来なんだよね。“ニンニンレッド”とかになるのかなーと想像してたのになぁ(笑)。
ちなみに今度のピンク、もとい、モモを演じるのは山谷花純さんだったとはっ! 個人的に、ピンク不作な近年においては期待大!