『ZETMAN』最新刊、20巻を買いました。
書店で漫画の表紙を見れば、丁寧だけど下手な作家が多く見られるようになった近年。
桂正和さんはそれらとは一線を画していて、年々達者になっているように思えます。
ビジュアルも写実的で、スゲー緻密……って、この辺はアシスタントさんが有能なんでしょうがね(笑)。
…ただねぇ、それとは対極的に、お話はどんどんつまらなくなっていきます。
その理由でもあるんですが、特に、この作品を読んで、改めて気付かされた事が一つ。
死んだと見せかけといて実は生きているという描写は、夢オチに次ぐ、外道な作劇法ではないかと。
これを繰り返してばかりいるせいか、敵であれ味方であれ、作品上で描かれる死に、もはや何の感慨(やカタルシス)も湧きません。
「…あーあ、やられちゃったよ。でもどーせ復活するんだろ?」
そんなシチュエーションが2回(以上)もあれば、そんな勘繰りの念を発露させてしまうのは当然だし、回を重ねた分、シラケてしまうのは当然です。
人によっては怒りすら感じるでしょう。騙されているんだから。
人類は進化と共に知恵を身に付けたけど、屁理屈ばかりこねくり回すようになり、今や個人レベルにまで多様化してしまった――それが、現代における正義。
そんなだから、罪を犯した連中がいつまでも生き長らえているんですよ。死刑が決まっているのに、ダラダラと執行を先送りにしたりとかね。
だから、世の中は、もっと単純な方がいいんです。
…って事で(?)、桂正和さんにはこんな水掛け論のお話より、シリアス:コメディ=6:4くらいの、『ウイングマン』くらいの気軽に読める作品を描いて欲しいんだよね。
いっそ、『ウイングマン』の続編とかダメかなぁ?
あれから健太は美紅と結婚し、一男を設けた。そんな世界にやってくる異世界からの敵。戦う力も弱まった健太は、その力を息子に託す。だが、肝心の息子は変身して戦う事を拒み……って感じでどーでしょ?