観てきた、『昭和ライダーVS平成ライダー』 | Joon's blog

Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『昭和ライダーVS平成ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』を観てきました。

これまで春のライダー映画をずっと観てきましたが、今作を機に考えを改めようと思います。
 春のライダー映画は、エンターテインメントに徹した作品である
普遍性に富んだテーマを持った作品は、観た人全てが楽しめるもの。
つまり、老若男女が楽しめる作品こそ、エンターテインメントの究極だと思うんです。

何が言いたいのかっつーと、春のライダー映画には理屈を求めちゃいけないんだなと。
新旧ライダーが大勢登場して、画面内を飛んだり跳ねたりする姿を見るのが本作の真骨頂なんでしょう。できれば親子で観に行って、自分が思い入れのあるライダーについて語ったりするのが正解なのかもしれません。
つまり、いい歳こいたマニアックな連中を蚊帳の外を追いやるような作品なのです。

とは言え、劇場で公開しているという事は、腐っても“映画”。
なので1本の映画として判断すると、本作は脚本がマズいんじゃないかと。
なにしろ、何の伏線も張らず、唐突に「実は今までの事は芝居で…」というドンデン返しのパターン。
これって、近年では暗黙の了解で禁じ手となった夢オチに匹敵、卑劣と言ってもバチは当たらなさそうな

作劇です。敵を欺くには、まず観客からって事ですかね? ふざけんなよと。
脚本の米村正二さんは、全てのライダー作品を勉強するより、作劇について猛勉強した方が良いと思います。

お祭り映画だって、そこまで無礼講が許されるわけでもなかろうに。

紘汰もボヤいていましたが、そもそも平成だの昭和だのって何なんだよ?ってところからですよね。
元々“平成ライダー”という言い回しは『仮面ライダークウガ』以降の、長きのスパンから復活した仮面ライダーシリーズを指す、メディア等で紹介される際や我々のようなファンが使う便宜的な言葉で、これを公式で採用しちゃうあたりが、お祭りどころか悪ふざけですよね。二次創作感丸出しすぎるだろ。

 

そんな平成勢と昭和勢との因縁(?)に決着を付ける、いわば仮面ライダー会議が本作の根幹ですが、そこに首を突っ込んでくるのがトッキュウジャーとキョウリュウジャーのスーパー戦隊。

仮面ライダー同士の大事な会議の最中に部外者が乱入してくるんだから、もうメチャクチャですよ。今作は『スーパーヒーロー大戦』ではないっつーの。

にしても、ダイゴ=キョウリュウレッドのアウェー感は、心底より気の毒に思えました。誰か構ってやりなよ…。

 

特に昭和ライダーを演じていたお三方や、平成ライダーを演じていた方々も(そこそこ)多く出演してくれて、ゲストも板尾創路さんや雛形あきこさん等々、キャスティング的に惹かれるものはありましたが、いざフタを開けてみれば、そんな期待も肩透かしで終わってしまった珍作でした。

脚本のせいではなく、根本たる方向性が良くなかったんでしょうね。

 


700円くらいするけど、近年のスパ戦&ライダー映画のプログラムは内容が濃く、資料性が高いものとなっています。
予備知識を得るための副読本としては最高です。