前編を録画し損ねた際は、翌日の行動に差し支えが生じるほどに凹んだものですが、そんな俺ッチを気遣ってソッコー再放送をしてくれたNHKの配慮のおかげで、両編とも観る事ができました、『梅ちゃん先生スペシャル』。
“結婚できない男と女スペシャル”という、季節の変わり目に放送するバラエティみたいな安っぽいサブタイトルにチト不安を感じましたが、やってる事は相変わらずで安心。
今作のイベントは、弥生さん&山倉さんがくっつくかどうか。
ぶっちゃけ、弥生さん&山倉さんは正式に付き合うのではなく、即かず離れずの関係でいるのも良かったんじゃないかと思います。個人的に、本作の登場キャラの中では、最もロマンス要素が似合わないコンビだと思うので(笑)。
今回のSP版では髪を短くし、後ろで結んでいない弥生さんも見どころの一つ(断言)。かつては山倉さんのプロポーズを受けたものの、それを拒否してしまった事に、少なからずの悔悟の念があったため、髪を切ったという裏設定があったとかないとか…って、これは俺ッチの脳内設定なのでスルーで。…そもそも、女の人が髪を一気に短くすると、すぐ失恋を結び付けたがるのは年寄りの無粋な思い込みですね、メンゴ。
もう一つのイベントは、梅子&ノブの夫婦危機。
本作においては夫婦関係の崩壊とか120%あり得ないから、その辺は安心しきって観ていましたが、梅子の、これまでに見せた事もないキレっぷりはドキドキ&ヒヤヒヤでしたよ(笑)。
梅子が強い口調で話す事は幾度かありましたが、その多くは断固とした態度で自分の主張を述べているものでした。
そんな梅子が相手に対して怒るのは極めて珍しい事ですが、それは相手がノブだからなんだよね。
普段の梅子は言いたい事をハッキリ言えず、やっかい事を抱え込むという黄金パターンが常でしたが、それは相手を気遣っているからであり、あまり気を遣わない関係でいられるノブが相手だからこそ言いたい事を言える。
梅子が言う、“ばか”という言葉と同じですよね。
相手の長所だけでなく、短所も含めた上でお互いを認め合うという今作のテーマは、実は既に描かれていた事なのかもしれないですね。ト深読みかもしれないけど。
ついでながら、↑の口論シーンは診療所で行われたんだけど、拗ねたノブが出て行ってしまうのを梅子が追うというカットで終わります。
で、梅子がノブを追う際、そのまま追うのではなく、電気スタンドを消すだけでなく、その脇にあった鍵を持ってから追うんだよね。
おそらく、この鍵は診療所の鍵だと思うんですが、こういう芸コマっぷりには感心します。普通の生活にある当たり前の行動なので、気にも留めず見過ごしていたのかもしれないけど、こういう描写はこれまでにもあったんだろうね。劇における“リアル”とは、こういう事でもあるんじゃないかと感じました。
そーいや、ふと思ったんだけど、今では安岡医院は千恵ちゃんが看護婦をやっているけど、静子さんでも良かったんじゃないかと。
…にしてもよー、某新聞にも書いてあったけど、ホント、本作は結婚賛歌のお話だよなーと、つくづく思うのよ。
SP版のメインは弥生さん&山倉さんのお話だから良いとして、まさか陽造叔父さんまで結婚するとは(意外と長く付き合っていたのね…)!
…あー、もうっ! こいつもどいつも結婚結婚と浮かれやがって、一人やもめの俺ッチには羨ましすぎて目に余る光景だよコンチクショー。
医学に没入して独身を貫きそうな松岡さんだけが俺ッチの味方……って、まさか松岡さん、あなたまでもっ?
――つーワケで、とうとう『梅ちゃん先生』ももう見納め。
けど、“またいつか お会いしましょう”というラストの一言に期待を込めてます。