勝間式「利益の方程式」 商売は粉もの屋に学べ! 勝間和代 | 想像と創造を膨らませるビジネスチューインガム

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勝間式「利益の方程式」 ─商売は粉もの屋に学べ!─/勝間 和代
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飛ぶ鳥を落とす勢いとはこのことだと思いますが、ここまでメジャーになるというのはこの著作の中の話にぴったりで、まさにジップ効果ということなんでしょうか。TBSの「情熱大陸」などにも取り上げられて、出す本出す本ベストセラーになっているのがこの勝間和代さんです。


もともとはマッキンゼーにいらっしゃったそうで、DeNAの南場社長の後輩にあたるそうですが、そのマッキンゼーでいろいろビジネスのキモを学ばれて独立し、経済評論家として活躍中です。


この本も例外ではなく、売れているわけですが、中身は確かにビジネス書としてはわかりやすく、そもそもこの勝間式の利益方程式自体がご自身でおっしゃるように、わりとユルい感じで出来上がっていて、細かいことよりもざっくりとわかればいいという内容です。


その方程式とは


利益 = 

 ( 顧客当たり単価 - 顧客当たり獲得コスト - 顧客当たり原価 ) 

 × 顧客数


です。この4つのファクターを抑えて、管理していくだけで、利益を意識した経営ができますよ、という内容です。「そんな簡単にいくわけがない」というのは勝間氏もじゅうじゅう承知で、そのことにももちろん言及はしていらっしゃるのですが、とにかくこの4つが大事ということでやらなければ前に進まない、という潔さがわかりやすさにつながっているのだと思いますね。


で、実際どうなのか、というとこの4つについてこの著作の中では細かく分析されていますが、やはり顧客当たりの単価、これをあげていくのが最も確実に利益を生み出す方法だということで、1円でも多く顧客単価を上げるように戦略を練らなければいけない、戦略のない値下げは絶対にやってはいけない、ということをとくと説明しています。


僕自身も顧客当たりの単価を上げていくのがもっとも効果的であり即時的であるとは感じていましたし、そのようにしてきたのですが、この本にあるように、もっと突き詰めていかなければならないな、と改めて思いました。目からウロコ的なことは書かれていないのですが、いままで分かっていたことを再確認しながらよりパワーアップして行うための後押しをもらった感じになります。


それぞれのファクターについて詳しい説明があった後、最終章ではまとめとしてそれまでに述べられたものが、箇条書きで記されていて、そのための行動習慣が10項目、それぞれについて語られています。


確かにその10項目を推し進めていけば、利益を上げられるような、そんな気さえしてきます。もちろん万能ではない(とは言え勝間氏はこの方程式自体は万能とおっしゃっていますが)にしても、一つ一つの事柄には説得力があるので、実践してみたくなりますね。


僕がマーケティングを行う上で、勉強させてもらった神田昌典という方がいるのですが、勝間氏も神田先生の考え方に賛同しておられるようで、この著作にも神田先生の本を紹介していますし、確か共同でムック本も出していたかと思います。僕にとってはその辺もあって、勝間さんのいうことは理解しやすいですし、実践に価するかも、と思う所以です(もちろんやや例が卑近すぎてどうかな、と思うところもありますが)。


冒頭の「売上増は七難隠す」という言葉も確かに、と思いますし、利益ノルマというのがなかなか浸透していないのも事実でしょう。そしてそれを算出するのが非常に難しい。というわけでカロリー計算をするように簡単に算出するように簡略化していかなければ、ということで誕生したのが、この方程式。


この方程式を意識して業務に取り組むだけで、顧客単価を上げる意識、顧客を獲得するためにコストに対する意識、そして顧客に対してかかるコストをなるべく下げる意識、そして顧客を拡大させていくための施策を培っていけますよ、という本で、ぜひうまく活用して、利益算出の見える化を果たしたい、そう思う一冊。

60分間・企業ダントツ化プロジェクト 顧客感情をベースにした戦略構築法/神田 昌典
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