ラジオというメディアはかつては日本の主要メディアでした。もちろんテレビが登場するまでのことです。しかしその後もテレビ、新聞、雑誌、そしてラジオというのは4大メディアとして取り上げれていました。
そしてそんなことよりも何よりも僕が小学生の頃、あれは高学年ぐらいだと思いますが、FM局と出会うことによって、大幅に音楽の趣向が広がっていきました。もちろんテレビで流れていた「ザ・ベストテン」やら「夜のヒットスタジオ」やらそんなものも見てはいましたが、音楽を学び、自分の中で育ませて、いまだにそのときの音楽を聞き続けるというルーツを作ってくれたのは他でもラジオですね。
そしてそのラジオの中でもよく聴いていたのが、NHK-FM 。実はこのNHK-FMがこの3月1日で、今年40周年ということで、僕と同い年だったようです(3月生まれということになると学年は違いますが・・・)。これには何か因縁めいたものを感じるというか、感慨深いものがあります。
僕の好きなミュージシャンは佐野元春なんですが、彼がパーソナリティを務める番組「サウンドストリート」が月曜日の夜10時からオンエアされていました。小学生から高校生にかけて僕の多感なときに、そのラジオ番組から流れてくる音楽は心を揺さぶってくれました。ヒットチャートの80年代ロックから50's、60's、70'sのオールディーズまで、僕はその番組で学びました。
音楽というのは不思議なもので多感なときに聴いたものは忘れないし、いろいろなものが詰まっているような気がします。それをノスタルジーと呼ぶんでしょうけれど、それが非常にリアルに今でも響いてきますし、いまこのときにも新しい何か、それはモチベーションであったり、勇気であったり、スマイルであったりをもたらしてくれます。だから単に懐古主義ということではなくて、ニューパワーがそこにはあるんですよね。
今のラジオはヘビーローテーションとかパワープレイとか言われていますが、同じ曲が何度も何度もかかるだけで、何か個性的な、何か新しい、自分にあうような曲、もしくはとても以前の曲だけれども初めて聴く曲に出会えることが少なくなっているような気がします。
そこにラジオの諦めを感じるのは僕だけでしょうか?確かに30年も前はまだ音楽的に牧歌的な時代だったのかも知れません。CDが出始めた90年代になってからはやはり音楽も単に売れることだけが重要になってしまって、ラジオもそれに乗っかってしまったんですよね。
別にそれが悪いことだとは思いませんが、大事なものもなくしてしまったような気がしますね。これだけいい音楽があっても、その一部だけがフィーチャーされて万人に届けられてしまう。僕は今の中学生や高校生にもいろいろな音楽に、50'sや60's、はたまた80'sなどにより多く触れてほしいと思います。その中から自分の好きな音楽を胸にしまって未来に進んでいって欲しいと思っています。