さて、取り組んでいる去年の文學界新人賞へ出した、150枚の落選作の件ですが、
今、35枚に到達しています。
新しい〈企み〉で再構成しつつ、適宜、新規に書き加えて、深掘りしています。
でも気を抜くと、やっぱり表層的なストーリーが少し違うだけの同工異曲に、つまり、繰り返し作品になりそうなんです。
だから、今、自分の立ち位置、思考パターンそのものを再構築する方法を同時に考えながら、実行しています。
違う言い方をしたら、きちんとした新しい〈企み〉をちゃんと読み手へ届ける作品にしないと、たぶん、また1次選考にすら通らないでしょう。
エンタメと違い、目立つ謎や派手な事件はないですが、ウラジミール・プロップ的な人物役割を果たす魅力的な脇役やサイドストーリーが必要なんじゃないか、と考えています。
その人物たちも〈企み〉に対して、ちゃんと貢献している必要がある。
プロ作品を見ると、たとえ純文学系でも、【ストーリーの展開呪縛】から離れて、段落や人物を抽象化して見ると、
上記になっていると感じました。
今回は、抽象化する際に、大江健三郎で学んだ社会性や時代性のレベルまで、ある意味、掘り下げながら、考えています。
とにかく、今回は大まかには、元のストーリーラインは変わらず、順番や人物は入れ替わるにしろ、できるだけ素材として「有効利用」するのが、
もう一つの試みであり、目的なので、その分、メタファー的な伏線やら、爆弾(?)やらを置いて、読み手へ楽しんでもらおうと努めています。
それはある意味、僕のふだん書く、象徴詩と全く同じ置き方で、現代詩的ですね。
ダブル・ミーニングになったりもします。
そうすると、少しだけ新奇感が出て、書いている自分もワクワクします。笑
この本は面白かった、ですね。
色々な傾向の作家の短編アンソロジーで。
絲山秋子やら、村田沙耶香やら、村上春樹やら、さまざまな作家の、さまざまな作品から影響を受けています。
でも、力量差から、当然そのままトレースできないので、結局は、僕のできる範囲のことしか真似れません。
同じ素材でも、全く違う料理になるように、どんな作品になるか、書き上げないとわからない。
この辺は、詩の書き始めと、書き終わりと同じか。
いや、詩の方がもっと出鱈目にラストは変わりますからね。
せっかく、今、書くので、去年にはなかった時事問題的なものも、どこかに刻印として入れようと思っています。
できれば、水曜日の9/3までに、半分の75枚ぐらいに到達したいです。
残り、40枚なので、そこそこ可能かな、と。