昨年の、第34回伊東静雄賞の佳作の件で、委員会から式次第の小冊子がおくられてきました。
こんなものです。
ページをめくると、受賞作品と受賞者の言葉、最終選者である以倉紘平先生らお二人の、受賞作とその他の候補さく4つに関する講評があります。
次が1次選者である、平野宏さんと、森永和子さんの選評が記載されて、佳作者50名の氏名一覧でした。
(ちなみに、今回の応募者数は1,080人とありますから、佳作の50人でも狭き門ですね。)
他の方もおられるので、中をお見せしていいのかどうか、わからないので、
そちらは遠慮いたします。
もちろん、佳作者一覧に僕の氏名はあったのですが、
嬉しいことに、平野さんの選評で「心に残った詩」として、拙作「点(ドット)」を作品名だけ挙げていただいております。
光栄なことで、感謝いたします。
4回目の応募で、今回、佳作に初めてなりました。
今まで、全然、ダメだ、入選もできないと思っていただけに嬉しいです。
この「点(ドット)」は、自分的にはそんなに悪くないと思いつつ、何回も改稿を重ねた作品で、今回、大幅に削除して、単語は同じであっても改稿で大きく書き換えました。
父の死を描いたものでしたから、レクイエム的に鎮魂歌として、どうしても、どこかに爪痕を残したかったのです。
それが抒情詩として、生活派の伊東静雄賞に残るのは一番、自然な流れだったのでしょうね。
今度、作る詩集には、そのままの形で掲載するつもりです。
今回の入選で、これからも生活派的な抒情詩を一つの儀式として、この伊東静雄賞には送る事に決めました。
当落選にかかわらず、それはそれで自分の詩の歴史になるなあ、と考えたからです。
過去に、佳作に入った若手の実力詩人の方で、モチーフを限定されそうで怖い、自分の詩風を曲げてまで、ここへは応募しないと書かれた著名詩人もおられました。
たぶん、それはそれで正しい考え方だと思います。
僕は自分の詩風というものはおおよそでしか、まだ確定しておりません。
全ての詩風を書いてみたい派なので、気にしません。
それぞれの賞に合うものを書くのも、短歌俳句川柳でいうところの兼題の類で、修行になると考えています。
ところで、今年の中原中也賞の受賞作、佐藤文香さんの『渡す手』(思潮社)に決まりました。
選評にある、対抗馬の大島静流さんの『蔦の城』(思潮社)も手に入れましたので、ゆっくりと読むつもりです。
佐藤さんは、すでに俳句で有名な方ですし、大島さんも第26回でも候補になってますから、順当なところなんでしょうね。