永田和宏さんの『NHK短歌 作歌のヒント』を読み終わりました | 読書と、現代詩・小説創作、物語と猫を愛する人たちへ送る部屋

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小説や詩の創作、猫また大学通信を書いています。Twitterは、atlan(筆名:竹之内稔)@atlan83837218 放送大学在学中。「第8回新しい詩の声」優秀賞を受賞。
 京都芸術大学の通信洋画&文芸コース卒業/慶應義塾大学通信卒業/東洋大通信卒業/放送大大学院の修士全科生修了。

少しずつ、ずっと読んでいた永田和宏さんの『NHK短歌 作歌のヒント』をやっとこさ、読み終わりました。

 
一つ一つ、38もの短歌制作のヒントが綺羅星のごとく、その用例の作品見本とともに語られて、凄かったです。
 
短歌の入門書で、おそらく技法上のことを詳解してくれている本のなかでは、
ベストに近いものだと思います。
 
でも、用例の短歌を味わいながらページを1頁ずつめくりめくり読んでいくので、
ほんとページが進みません。汗
まして、僕は間に童話を創作、研究したり、詩を書いたり、作歌、作句したりと、
せせこましく脱線しまくりなので、
僕としては珍しく、たぶん3ヵ月ほどはかかりました。
 
ほんと、勉強になりました。
終盤になってゆくと、予想通り、いかに結句に自分の主張を書かずに、
読み手に任せるか、などという趣旨の、普段、僕が小説や詩で意図していることと、
全く同趣のことが語られます。
 
しかも、驚いたことに、最後は、詩人のあの谷川俊太郎さんの話題が出てきて、
映画監督の是枝裕和さんの言葉を通して、こんなことが引用されてました。
 
「(是枝さんとご一緒した谷川さんは)『詩は自己表現ではない』と明確におっしゃっていました。詩とは、自分の内側にあるものを表現するのではなく、世界の側にある、世界の豊かさや人間の複雑さに出会った驚きを詩として記述するのだと。ああ、映像も一緒だなと。撮ること自体が発見であり、出会いです。詩やメッセージという者があるとしたら、それは作り手の内部にでななく世界の側にある。(略)どんなに崇高な志に支えられていたとしても、撮る前に結論が存在するものはドキュメンタリーではありません
 
青字の部分が、僕が詩や短歌、俳句を作る際に、いつも心がけていることであり、
間接的には、童話や小説の中にも入っているもの、体験と全く同じものでした。
(最後の黒字アンダーラインは、目的のために事実をねじ曲げる報道を繰り返す傲る新聞やTVのマスゴミに聞かせてやりたい文言です。)
 
一応、この本の「作歌のヒント」の数々を、今、手入力で書き写しています。
敬愛する永田和宏さんと、もうお亡くなりになられましたが、その奥様の河野裕子さんは、僕の短歌における目標の方々です。
すぐには、ヒントの数々は消化できませんが、少しでも自分のものにしたいです。
何より、それは、谷川さんに共感する永田さんのように、逆に詩を書く上でのヒントにもなっている、と感じましたから。
 
現代詩の世界は、俳句や短歌と違って、結社・同人誌に属さず一人で書く人が多いと感じています。
僕のように、教室に行く人は、「現代詩手帖」系のプロ詩人では少ないと感じています。
文字通り、口語【自由】詩で、自由に書いているのでしょうね。
僕も、わざわざ同人誌に入る必然性を感じていません。
その分、こうして短歌の勉強したり、詩の教室で先生や他の受講生の方の感じ方に勉強させてもらえますから。
 
ある意味、僕は他の歌人、塚本邦雄さん、高野公彦さん、もっと古く、斎藤茂吉、正岡子規と言ったビッグネーム歌人にも、師事しているつもりです。
勉強が好きな【学ビスト】ですから。
 
たぶん、僕の最大最強の才能は、学び続けることだ、と思っています。
これがある限り、今日よりは明日、明日よりは明後日、正しい方向かどうかはわかりませんが、日々、成長していますから。
命ある限り。