鬼滅の刃8巻  | 読書と、現代詩・小説創作、物語と猫を愛する人たちへ送る部屋

読書と、現代詩・小説創作、物語と猫を愛する人たちへ送る部屋

小説や詩の創作、猫また大学通信を書いています。Twitterは、atlan(筆名:竹之内稔)@atlan83837218 放送大学在学中。「第8回新しい詩の声」優秀賞を受賞。
 京都芸術大学の通信洋画&文芸コース卒業/慶應義塾大学通信卒業/東洋大通信卒業/放送大大学院の修士全科生修了。

今日は、マンガの紹介。

ヒット漫画で、アニメ化もされたから、若い人は皆知っているだろうが、

20・30代以降の人で知らない人もいるだろうから、紹介します。


「鬼滅の刃」シリーズ。

永遠の命を誇り、特別な刀で首を切られない限り死なない人食い鬼と、何百年も戦い続けている鬼殺隊をめぐる話。

時代は大正時代。

 

主人公の竈門炭治郎少年。

家族を鬼に殺されて、鬼殺隊に入り、どんどん強くなる。

少年マンガの王道で成長譚なんですよ。

鬼殺隊のリーダーである「柱」一人、炎の術を使う煉獄杏寿郎が鬼の幹部、上弦の参と戦い破れるシーン。

この話に登場してすぐ、死んでしまう「柱」がそれまでの圧倒的な強さを示していたのに、それですら、上弦の鬼には勝てない。

ある意味、絶望的に読者に感じさせる箇所。

 

でも、その杏寿郎の台詞が熱い。

北斗の拳並みに、いや、それ以上に熱い。

少年誌特有の伝統的な美学がある。

作者の吾峠呼世晴(ごとうげきよはる)さんの絵は、お世辞にも上手いとは言えないが、

(時々、綺麗な魅力的な絵は描けるのに、そのアンバランスが不思議。)

とにかく、面白い。

 

その杏寿郎の死際の台詞がこれ。

「胸を張って生きろ」

 

「己の弱さや 不甲斐なさに どれだけ打ちのめされようと

 心を燃やせ 歯を喰いしばって 前を向け

 君が足を止めて 蹲っても 時間の流れは 止まってくれない

 共に寄り添って 悲しんではくれない

 俺がここで 死ぬことは 気にするな

 柱ならば 後輩の盾となるのは 当然だ

 柱ならば 誰であっても 同じことをする

 若い芽は 摘ませない」

 

「もっともっと 成長しろ

 そして 今度は君たちが 鬼殺隊を支える 柱となるのだ

 俺は 信じる

 君たちを 信じる」

 

もう絵の下手さなんて、関係ない。

こういう物語の力に、自分は勇気づけられて、

ここまで来たんだ、

そう改めて、自分の努力を誓いたくなりました。


これが物語の力なんだな、と思っています。

僕も心を燃やさない、と。