◆前回のあらすじ◆
第2部のあらすじ——成田から一時間の街で出会ったA。
オリジナルの衣装と、お土産のZoom Vomero 5。
フェードアウトしていく彼女に会いに、私は初めてフィリピンへ飛ぶ。
だが幕間の主役は、Aではない。
【Mという宿題】
この幕間の主役Mの話をするには、時計を第1部の頃まで巻き戻す必要がある。
Zに通っていたあの時期、私は地元の店にも顔を出していた。
そこにいたのがMだった。
Mとは、キスもした。
その先のことも、少し考えた。
考えたのだ、当時。
だが私にはZがいた。
二股をかける器用さも度胸もない私は、どうしたか。
黙って、連絡をやめた。
説明もなく、さよならもなく、ただフェードアウトした。
ひどいことをした、という自覚はある。
この物語で私は一貫して「振り回される側」の顔をして書いてきたが、Mに対してだけは、振り回した側だった。
人間は、被害者の顔をしている時が一番たちが悪い。
Mはとっくに帰国していた。
それでも、たまに連絡だけは続いていた。
罪悪感の通信線が、細く繋がっていた。
◆次回予告◆
第2話「初めてのフィリピン」——2026年3月、人生初のフィリピン。
目的はAに会うため。
返事はシンプルだった——「終わり」。
この物語は全4部の実録エッセイです。
第1部・第2部・幕間は全話無料、クライマックスの第3部はnoteで公開しています。
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