2023年ベスト映画2 | 映画館でぐだぐだ考えた

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映画の感想、音楽、アウトドアについてなど、ぐだぐだと書き付けています。書いている期間だけが長いサイトです。

前の記事に引き続き2023年のベスト映画を発表していきます。

 

繰り返しですが、いつもと同じ、基準に客観性はゼロで、好みの問題、もしくは印象的だったものとなります。

 

今回は5~1位です。

 

5. 「市子」戸田彬弘

 

 

まだ公開中なのでお早めに!本作も衝撃作で、何と言っても杉咲花の演技が最高の作品です。物語は同棲中の男性にプロポーズされ、喜んで涙を流した翌日、忽然と姿を消した「市子」という女性がどういう人生だったかを、そのパートナーだった男が探していく物語です。TBSラジオ「アフター6ジャンクション2」でも詳しく紹介されていますので、本当にそちらを参照してもらいたいし、町山智浩さんは「邦画ベスト」と「こねくと」で語っていました。そんな皆さんが絶賛している映画、絶対に見たほうがいい。そういえばいつも入会しているテアトルグループの会員証「TGCカード」が「市子」のデザインでももらえるので興味のある方は是非。

 

4. 「ちひろさん」今泉 力哉

 

 

今泉監督はもう1本、「アンダーカレント」も公開されましたが、そちらは見てないんですよね。。。本作もNetflix配信作品なのですが、テアトル新宿で劇場公開されていたので劇場で鑑賞しました。とにかくヒロイン、有村架純のちひろさんが魅力的です。映画を見終わった後も、しばらくちひろさんが残っていました。劇場公開時には配信では見られない特別映像が、終映後についていたのですが、それがあるシークェンスの解釈を変えるおまけ映像だったので、劇場で見てよかったです。

 

3. 「ベネデッタ」ポール・バーホーベン

 

 

こちらも面白かった!御年85歳のバーホーベンが、こんなギラギラした映画を撮るのはさすがでした。カソリックの欺瞞や醜さをこれでもかと描いて、しかしヒロインとて「聖女」ではない、人間らしい駄目さがあるというこの人物造形は最高です。ただしさすがバーホーベンな、どぎつい性描写があってR18。さすがとしか言いようがない。年の始め公開だったから忘れがちになりそうなので、ワタクシは3位としました。

 

2. 「正欲」岸善幸

 

 

朝井リョウ原作刊行時に読んでいて、この作品をどう映画化するのか興味があったのですが、見たらびっくり、本当に素晴らしい作品になっていて驚きました。ある特殊な性的マイノリティーの話なのですが、そのせいで疎外感や生きる意欲がない登場人物たちが、しかしお互いの存在を知ることで、共感しあって前を向いていく、その絶望から希望への道筋がきちんと描写されていて驚きでした。出演陣の、特に新垣結衣と稲垣吾郎が本当にすごくて、ラストの対決シーンは「名勝負」と思いました。個人的には堂々の2位です。

 

そして今年の1位。これを超えるものは出なかった。。。

 

1. 「セールスガールの考現学」Khudaldagch ohin

 

 

モンゴル映画。初めてモンゴル映画をみて、ウランバートルがいかにも共産圏の首都、っていう感じだったのが興味深く、行ったことのない国の映画としてもよかったです。またヒロインのBAYARTSETSEG Bayarjargal(読めない!)が、最初はイケてない女子大生だったのが、ポルノショップの経営者の女性と知り合うことでどんどん美しくなって行ったり、自己を解放していく姿が本当に個人的には素晴らしくて印象的でした。しかもしっかりと音楽映画としても作られていて、バスに乗っているヒロインの後ろでおもむろに演奏を始めるバンド、みたいな演出も面白くて侮れないな、という感じでした。2021年の「ハッピーオールドイヤー」に続くアジア映画の秀作、という感じで、これからもどんどんアジア映画を見なきゃ、という気にさせました。

 

総評的なことを書くと、個人的な好みであまり話題になったアニメ(バスケのあれ、とかジャズのあれとか)を見てすらいません。またマーベル映画や怪獣映画を例年少しは見ていたのですがさすがに特撮映画は大して好みではないことがわかって、よほどのことがない限り見ない、という感じであれ(マイナス1とか銀河の守護的な)も見てもいないのでご了承ください。

 

今年は結局なんだかんだで40本を鑑賞しました。コロナ期と同程度で、例年50本くらい見ているので少なくなりましたが、それは色々興味が他のシーンに移った、ということも影響しています。その他のシーンについてはまたいつか書きたいと思います。

 

セールスガールの考現学
正欲
ベネデッタ
ちひろさん
市子

 

では皆さん、よいお年を。