2022年ベスト映画 | 映画館でぐだぐだ考えた

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映画の感想、音楽、アウトドアについてなど、ぐだぐだと書き付けています。書いている期間だけが長いサイトです。

みなさん、お久しぶりです。

 

去年もこの時期に年間ベスト映画を発表しました。

いつものように、恒例「アフター6ジャンクション」の映画年間ベスト企画を拝聴していたら、自分のベストを発表したくなったので、こちらに書きつけます。

 

まずは今年の映画鑑賞ですが、新作配信や飛行機搭乗で見た映画を含めて、現在まで50本でした。いつも40数本なので自分としては多めの鑑賞となりました。基本的に映画館での鑑賞となります。

 

1.「Don't Look Up」

アダム・マッケイ監督

 

今年最初に見た映画、しかもネフリ作品ですが、大好きなので1位にしました。

巨大な隕石が地球に迫ってきていて、人類滅亡の危機なのに、政治家をはじめ誰もまともに取り合わず、利権のためやSNSなどでバズるためだけに行動する様を描いたブラックコメディー。それがオールスターキャストで描かれるから贅沢だし、ディテールも爆笑なんですよね。本当にこんな事態に陥りかねないのは、2022年のリアル戦争に対する様々な反応でいみじくも証明された感があります。

 

2.余命10年

藤井道人監督

 

あまり期待せずに前評判を参考に見に行ったら、今もこの作品について思いをはせることがある程度には気に入りました。考えたら余命10年って言われたらどうするかって結構難しいですよね。来月、来年にどう、っていう余命ではないから、その10年を充実させるために学んだり働いたりするだろうし。では、恋愛や結婚は余命10年宣告された場合にどうするか、という物語です。特に本作は個人的にベスト小松菜奈アクトです。見事でした。

 

3.かがみの孤城

原恵一監督

 

全く見る気がなかったのに、マスクでお馴染み有名ブロガーさんが「開始2分で号泣」と書かれていて、結構なおじさんでもそこまで?と気になって急遽見に行きました。結果は・・・開始30分ぐらいでしたが見事号泣。この作品は、張り巡らせた伏線の回収が見事なんですよね。なぜあのお城なのか。なぜ7人なのか。おおかみ様とはだれか。その説明が見事だと思いました。ストーリーは異なりますが、その作品のベースとなる雰囲気は「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い出しました。

 

4.ある男

石川慶監督

 

前知識なしで見て衝撃を受けた「愚行録」以来、石川監督の映画は気にしていますが、本作も見事にはまりました。こちらもミステリー仕立ての物語で、結婚していた男性が事故で無くなり、調べたら自称していた名前や経歴が詐称されたものだった、というところから始まる物語。その顛末はミステリーなので見ていただきたいのですが、作品のあちらこちらに張り巡らされた現代の闇というか、差別が横行するような一部風潮というか。その嫌な感じがさすが「愚行録」の石川監督で、本当に嫌~な気持ちになるので最高です。

 

5.プアン 友だちと呼ばせて

バズ・プーンピリヤ監督

 

「バッド・ジーニアス」の監督の新作、ということよりも、俺たちのウォン・カーワイ監督プロデュースの作品で、タイを舞台にしたウォン・カーワイ世界。非常に懐かしく、楽しかった映画でした。音楽使いがまさしくウォン・カーワイでしたし。かつての親友2人が、元カノを探す旅に出るが、その裏に隠された真意は?という作品。女優がかわいい映画でしたね。余談ながら、全く知らずに銀座で鑑賞したら、舞台挨拶付きだったのでびっくりでした。

 

6.ベイビー・ブローカー

是枝裕和監督

 

 

フランスで撮影した「真実」に続いて、是枝さんの新作は韓国!しかも「出るだけで面白い男」ことソン・ガンホ主演で見事に韓国映画になっていました。「赤ちゃんポスト」に預けられた子供を、子供がほしい親のところに(違法に)売却するブローカーの話。ネグレクトを描いた「誰も知らない」、乳児取り違えを描いた「そして父になる」に続いて今度は「赤ちゃんポスト」や「養子ブローカー」をテーマにした是枝監督。ぶれてません。刑事役ペ・ドゥナがいい味!

 

7.ハケンアニメ

吉野耕平監督

 

 

「かがみの孤城」に続いて辻村深月もの。こちらはアニメ、ではなく実写映画でアニメの制作について、新人監督の視点で描かれた作品。こちらもある業界を描いた映画として秀逸、とくにある声優さんをめぐる物語は素晴らしかったです。おれも実際の職場で、あの声優さんに対してのように、ただ厳しいだけのダメ出ししていないか?と自らを省みたりして。誰もがいうように2つの架空アニメが実際に映像化されるわけですが、その作りこみに脱帽です。

 

8.さがす

片山慎三監督

 

 

「岬の兄弟」で衝撃を与えた片山監督の新作。こちらもまた衝撃作でしたね。消えた父親を「さがす」、という話をベースにそれがどう展開するのか?がミソの映画。ラストシーンまで予想を裏切ってくるのでこういう映画が見たい、というのはあるのですが、あまりに凄惨な話なのですみませんが、10作品の中ではこの位置。

 

9.サバカン

金沢知樹監督

 

 

草彅剛主演の青春映画。長崎を舞台に友情、そして夏休みの冒険が描かれた物語。そんなに予算はかかっていないし、小品、という感じの映画ですが、こういう映画がたくさんあればほっとしますね。悪い人が誰もいない、「さがす」と真逆。しかしどの映画でも尾野真千子が結果を出してくるな~(ハケンアニメでもよかった)

 

10.窓辺にて

今泉力哉監督

 

 

10位は別の映画にしようと考えていましたが、ライムスターMGさんが言及していた、クライマックスのあの長まわしシークェンスが良かったことを思い出して、この位置にしました。見る人によっては、編集のテンポとか、あまりにも「何も起こらない事態」に退屈するかもしれませんが、稲垣吾郎さんのその役作りも含めて(本人の感じに近いらしいですが)それを堪能するのがこの映画の見どころだと思います。

 

以上、10作品ですが、そのほかの作品にも一言を言いたいと思います。

 

・「RRR」

これはベストに入れてもおかしくないくらいの力作です。すさまじいアクションで、ちゃんと突っ込みどころもある娯楽大作でした。

個人的には、「バーフバリ」を超えなかったので、相対的に評価が下がってしまいました。

 

・「哭悲」

ベスト、もしくはワーストでもいい、「二度と見たくない」映画。インパクト大。エログロといいますが、盛大なグロとちゃんとエロも描いているのに、エロがグロに食われて目立たないというか。。何を言っているかは、本編を見て!あとエンディングではベスト映画でした。

 

・「死刑に至る病」

これもグロい。嫌な気持ちになる。だから大好き、なはずですが選外とします。理由は・・・なんででしょうか?ベストに上げる人がいてもおかしくない、阿部サダヲが「阿部定」からとった名前、というのを思い出させる作品でしたね。

 

というわけで、こちらを今年のベストにしました。

みなさん、よいお年を。来年もいい映画に会えますように。