英語コミュニケーション講座や大学講座を担当し始めたころ、一番私が戸惑ったこと…

 

それは

 

日本人は、教室の前に立つ人への質問に対して回答を返してくれないこと

 

でした。

 

 

 

皆さんは教室で講師に

 

“Do you have any questions?”

 

と尋ねられた時に、躊躇なく挙手して質問しますか?

 

もしくは教室で聞くよりも授業終了後に先生に個人的に質問されますか?

 

 

 

私も日本人なので、大勢の中で質問をする緊張はわかります。

 

こんなバカな質問したら・・・

 

大した問題じゃないし・・・

 

もしかしたら私が聞いていなかっただけでこの質問の回答はクラスの中で解決済みかもしれない

 

いろんな言い訳を見つけては質問を避けること、私はよくあります。

 

 

 

また日本では『周りに合わせる』という調和の文化がありますので、そちらも手伝って、

 

質問する人がいないなら、私もやめておこう

 

という心理が働くこともよくあるように思います。

 

 

 

その一方で私が長く生活してきた海外(アメリカ、ニュージーランド)では、いつでも質問ができる環境になっています。

 

 

私がアメリカ大学院に留学した当初、クラス内での活発な質疑応答に圧倒されました。

 

 

アメリカの大学院ではクラス内での発言や意見提供も授業の点数の一部として換算されます。

 

つまり、『意見がない』ということは『クラスに貢献していない』『勉強に参加していない』という判断が下ります。

 

「ついていけてない・・・」という焦りを感じたのは言うまでもありません。

 

 

そのときに質問は恥ずかしいことではなく自分が知りたいことの答えを探求し、みんなで討論して回答を見出すのが『学びの姿勢』なのだと知りました。

 

 

 

また、海外でこんな光景を見たことがあります。

 

それはニュージーランドで子育てをしていた頃のこと。

 

当時私は現地の幼稚園に通う息子に同伴し、ボランティアとして幼稚園児たちにお寿司の作り方や折り紙を教えていました。

 

そこで幼稚園での活動を詳しく知ることができました。

まず朝は“Mat Time”と呼ばれる時間からスタート。

 

先生を囲んで子供たちがフロア(Mat)に座りお話を聞きます。この時に先生のお話に対し、3,4歳児の子供たちは質問し、先生がそれに答え、他の幼稚園児の意見を求めます。

 

またその他にも“Show and Tell”といって、一人の生徒が自分の宝物を持参し、それについてお話するアクティビティがあります。

その発表後、他の生徒たちから驚くほどの数の質問が寄せられます。

 

 

この『話す、質問をする』ということが「ニュージーランドを含めた欧米豪文化の基盤にあるのだな」「私がアメリカの大学院で質疑応答に参加できずに四苦八苦するわけだな」と納得したのを思い出しました。

 

 

私たちの日常で、言葉を発しないことで『減点』をされることはないのですが、英語圏の文化で当然のことのように行われている『質問を投げかける』『意見を交換する』という行為を、私たちも英語で話す時には積極的に取り組んでいく必要があるというのを、海外生活で私は体得していきました。

 

 

このことを、英語学習者の皆さんに意識していただけたらと思います。

 

まずは日本語で質問を積極的にするところからスタート。それが上手くできるようになってから英語に移行してもよいでしょう。

 

 

あるいは、日本語ではうまく質問できないけれど、英語で話す時に「英語スイッチ(前回のブログ)」を入れたら積極的に質問ができる、という方もいるかもしれません。

 

いずれの言語でも質問をする、意見を共有することに少しだけ意識を向けて取り組んでみてくださいね。

 

↑ニュージーランドのアロータウン幼稚園で手巻き寿司を一緒に作ったときの様子。(2010年2月)

 

↑ニュージーランドの学校で、先生の質問に対して生徒が挙手して質問する様子(2011年5月)

 

☆英語コミュニケーション講座講師

ニックネーム:Mitsi

香川大学担当