私は英語圏に22年間住んでいました。

 

『英語で話すときの自分』

 

 

『日本語で話す時の自分』

 

 

何かが違うと以前から気づいていましたが、それがなんなのかはよくわかっていませんでした。

 

 

しかし5年前からこの英語コミュニケーション講座の講師を担当するようになり、「英語スイッチを入れる」(*1)という表現を知って「まさにこれだ!」と気がつきました。

 

 

そう、私がそれまでに行っていた2言語間の行き来はまさに「英語スイッチ」をオン・オフにするという行為だったのです。

 

 

ただしこのスイッチは22年間日常的に英語を話す環境で生活していたり、同時通訳仕事を常時行っていると、次第にそのスイッチを意識することなく自然とオン・オフにすることができるようになっていました。

 

 

これは言語のスイッチに限ったことではありません。

 

『言語を切り替える』と同時に、『その背景にある文化』も切り替える必要があります。

 

 

日本の企業とビジネスをしていると、「日本語で話す」だけでなく「英語でやりとりをする」という両方のシチュエーションがあります。

 

 

その時には、その場面に合わせて日本の文化や企業でのしきたりを重んじた上で言動や行動を決める必要があります。

 

 

その一方で欧米豪など海外の企業とやり取りするときには、相手の文化に応じた「文化スイッチ」を入れます。

 

 

日本のビジネスシーンで使うアイスブレイカーはそのまま英語にしても通用せず、欧米豪に合わせた『もう少しカジュアルなアイスブレイカーを使う』や『人との距離をもう少し縮める』などの別のスイッチを入れる必要がでてきます。

 

 

 

またアジアの企業と英語でやりとりするということもあります。

その場合には、欧米豪とは少し異なるスイッチが必要なことも出てきます。

 

 

私がいつも迷うのは

 

「海外で日本人とやり取りするとき」

 

です。

 

 

海外に長く生活している日本の方は「英語スイッチ」を上手に使いこなす方が多いものの海外駐在で日本企業に勤め、日本人コミュニティの中で暮らしている方もいらっしゃいます。

 

その方々へのアプローチは、『日本人スイッチ』なのか、あるいは『カジュアルな英語スイッチ』なのか?

 

 

また別の例としては、日本に長い海外からの移住者に出会った場合。

 

 

皆さんならどんな風にアプローチしますか?

 

『日本人スイッチ』

 

英語圏の人なら『英語スイッチ』

 

いつも悩ましいところなのですが、私は相手の様子を伺いながらどのスイッチを入れるのかを決めます。

 

一番大事なのは

 

「こうあるべき」という概念を捨て

 

相手との相違点を受け入れて楽しむこと

 

にあるように思います。

 

 

同じ文化を共有しているならばその共通点を喜び,違う文化背景を持つ人ならばその違いを知り、お互いをrespectできれば、スイッチ選びはさほど難しいことではありません。

 

 

「英語スイッチ」は、初めのうちは意識的に入れる必要がありますが、次第に意識せずに相手の様子に合わせて入れることができるようになります。

 

 

是非いろんなスイッチ、入れてみてくださいね。

 

注)

*1

「英語スイッチを入れる」とは、「英語圏あるいは英語を話す環境に自分をおく」ことで、日本の日々の生活の中にいる「いつもの自分」ではなく 『グローバル人材」であることを意識して行動すること

 

 

↑写真は、2019年9月に小豆島で開催された瀬戸内国際芸術祭のアート作品展示場にて撮影したもの。

左からニュージーランド、アメリカ、日本、英国 – 4つの国籍が混じったらどのスイッチを入れる?

 

☆英語コミュニケーション講座講師

ニックネーム:Mitsi

香川大学担当