イザベルとエリーは仲良しです。
よく一緒に遊びます。
その日も、エリーのお家で、お人形ごっこをしていました。
エリーが持っている人形のお家は、イザベルが持っているそれとは比較にならないほど、立派で素敵です。
イザベルは羨ましくて、気がつくと、飾り物の金のお皿を、自分のポケットに入れていました。
帰り道、お皿は重く感じます。
夜ごはんを食べようにも、食欲がわきません。
布団に入っても、眠れません。
朝になると、お皿を庭に埋めてしまいました。
とうとう、イザベルは、罪悪感に耐え切れなくなり、お母さんに泣きつきます。
お母さんに諭されて、自分でお皿を返しに行ったイザベル、えらいですね。
エリーは、すぐに許してくれ、ふたりは夜遅くまで遊びました。
それからしばらくして、イザベルの誕生日。
お父さんは、イザベルの人形の家を、リフォームしてくれ、エリーは、金のお皿をプレゼントしてくれたのでした。
めでたしめでたし、なんですが。
私だったら、謝って返したとしても、罪悪感や、エリーに対する引け目は、そんなに簡単に消えないような気がします。
ましてや、金のお皿をプレゼントしてもらったら、それを見るたび、思い出して落ち込みそう。
だから、このすばらしく心の広いさっぱりした人たちに、憧れずにはいられません。
イザベルもエリーもお父さんもお母さんも。
彼女たちの美しい心のように、絵もすごーくきれいです。