ガラシはアマゾン川のほとりにすんでいる少年です。
弓矢が好きで、お父さんと狩りに出たいと願っていました。
しかし、狩りに出るには、もっと弓矢の練習が必要だし、クルピラのことも知らねばなりません。
クルピラ?
クルピラは、無駄に木を倒したり、幼い動物や、お腹に赤ちゃんがいる動物を捕まえようとすると、狩りの邪魔をするんですって。
また、嵐がくる気配を感じると、動物たちに危機が迫っていることを教え、逃がそうともします。
つまり森の精霊? 守り神? みたいなものでしょうか。
そんなあるとき、ガラシは森の中で道に迷います。
ふと、小さなタツー(アルマジロ)が走っていくのが見えました。
追いかけて、追いかけて、もう少しでつかまえそうになったとき、話に聞いていた、クルピラが現れたのです。
炎のように燃える目、火の色をした髪の毛、かかとが前についている足。
ガラシは恐怖で気を失ってしまいました。
こうして、ガラシは、身を持って、クルピラの存在を知ったのですね。
ひとりで無事に山から戻ってきてガラシは、次の狩りに連れて行ってもらえることになりました。
自然と共存する、狩りの掟を知ることが、おとなへの仲間入りです。