秘色(ひそく)は、次のうち、どれでしょう。
謎めいた色?
何ごとかを隠す色?
ちょっと怪しげな色?
答えは1番です。
青磁色とも呼ばれています。
9世紀末、中国の越州窯(えっしゅうよう。東洋最古の磁窯)で焼かれた青磁の色。
「秘密」の「秘」は「禁秘(きんぴ)」の「秘」で、宮中の秘密という意味です。
当時、青磁は献上物であり、一般の使用を禁止されていたところから、名がつきました。
それでは2番と3番は何色でしょう。
2番は一斤染(いっこんぞめ)と言います。
紅花で染めた、うすい紅色のことです。
平安時代、紅染めが高価だったので、濃く染めることを禁じていました。
紅花1斤(600グラム)で絹一疋(絹布2反、大人の着物1枚分)を染めたときの色なのだそうです。
3番は美女桜と言います。
なんともなまめかしい色名ですね。
が、実はバーベナのこと。
芝桜のような小さい花が、地面を這うように広がって咲きます。
花1つ1つは可憐なのに、全体で見ると、たくましき雑草、の感がなくもありません。
赤、ピンク、濃紫、コバルトブルーなど、色が鮮明すぎるのも、気性の激しいおてんば娘のよう。
こんなたおやかな薄紫色のバーベナがあるとは、知りませんでした。
でも決してバーベナを代表する色ではないと思うのですが…。