みなさんが小学校で水彩画を描くときは、えんぴつで下描きをして、間違えると消しゴムで消して、それから絵具を塗っていると思います。
色えんぴつの場合は、えんぴつで下描きをすると、えんぴつの黒鉛が、色えんぴつの色に混ざってしまいます。
なので、どうやって下描きをするかが、課題になってきます。
また、消しゴムを使うと紙が毛羽立つなどの劣化があるので、できれば消しゴムもなるべく使いたくありません。
そこで、まず下描きをし、別の紙を当て、上からなぞって本番の下絵を描く、という方法を取るのがベストです。
下からライトアップする、投写台があると大変便利ですが、貧しい私は窓に紙を押し当てて、陽光に透かせています。
この方法は、手が疲れるのが難点です。
また、窓ガラスを常時、きれいに掃除しておかなくてはなりません。
さらに、日が暮れてしまうと作業できません。
不遇な下絵時代と言えましょう。
さて、一番簡単な下絵を描く方法は、鉛筆でうす~く下描きをして、上からペンでなぞり、消しゴムでえんぴつ跡を消すことです。
私は滲みの少ない製図用ペン0.05ミリ~0.2ミリを使用しています。
この方法は、輪郭線がくっきりと出ます。
色えんぴつの淡い色彩を活かそうとする場合には、不向きです。
色えんぴつの淡い色彩を活かすには、色えんぴつで下描きをするといいです。
トマト本体の部分は赤で、へたは緑で下描きをするのです。
色えんぴつは消しゴムで消えないので、最初に鉛筆で下絵を描き、窓に押し当てて色えんぴつでなぞります。
しかし風景など、多くの色を細かく使う場合には、困難ですね。
ある色えんぴつ画家さんは、まずえんぴつで下絵を描き、その上からトレーシングペーパーでなぞり、反転してまたトレーシングペーパーでなぞり、本番の紙の上にそれを反転して(元に戻して)、上からなぞると、えんぴつの黒鉛がうっすらつく、という方法を用いていらっしゃるそうです。
たしかにきれいな線が描けます。
でもめんどくさがり屋さんには向きません。
めんどくさがり屋の私は、それならカーボン紙に描けばいいんじゃない? と思いました。
手に付かないカーボン紙、というのが100円ショップで売っています。
さて、それぞれの下絵の特徴を活かして、彩色してみましょう。
ペンで下描きし、輪郭のはっきりした絵には、くっきりと色を塗りました。
トマトのつややかな様子がよく出ていると思います。
色えんぴつで下描きした絵は、丹念に色をほどこし、やさしい風合に仕上げました。
トレーシングペーパーを使った絵には、色えんぴつのタッチを活かし、透明感のある絵にしました。
カーボン紙で下描きをした絵は、カーボンの濃い色に負けない強いタッチで、グラフィック性の強い絵に仕上げました。
これはあくまでも私のイメージなので、みなさんもいろいろ工夫してみてくださいね。