ヒキガエルは、いかつい顔をしている。
特にヤマヒキガエルの蘇芳(スオウ)は、他の二匹と比べて顔に凹凸があるので、野性味が溢れている。
その表情とは裏腹に、性格はおっとりしていて、鈍い。
その所以は、自身の毒によるものらしいが、人間様には全く関係ない。
素手で触っても、問題はない。
飼育しやすいカエルと言って過言ではないだろう。
私は、蘇芳の赤い色が気に入っている。
何故、外に出しているかというと、いつも同じケージにいると変化がなさ過ぎて本能が鈍るので、たまに放牧させるのだ。
背景に、薄っすらとケージ内にいる二ホンヒキガエルの冬将軍が写っている。
何と、ケージ内では仲良くしているくせに、威嚇して体を大きく見せていた!
まあ、カエル達には友情は芽生えることがないので、外にいる奴は敵に見えるのだろう。
蘇芳は、冬将軍を覚えているのか、構わず近付いていく。
冬将軍は・・、うーん、威嚇しているようにも見える。
蘇芳に威嚇しているのか、カメラを構えている私に向けているのか、定かではないが。
奥にある岩盤浴でミヤコヒキガエルのマグマが暖を取っているのが見える。
蘇芳は、どうやらケージ内に戻りたいようだ。
ヒキガエルには、帰巣本能があるのだろうか。
まあ、今回で、自分たちが普段どのように見られているか、客観視できて新鮮だったのではないだろうか。